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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十九話 オブザーバー
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……
「(はずれ……)」
対応しようとした右の一体とび膝蹴り。
「(はずれっ!)」
着地を狙って突き込んできた最後の一人を飛び上がってかわしつつ後方宙返りの勢いのまま右足を三体目の後頭部に叩き込む!
「(はず……えぇっ!?)」
が、全てはずれである。つまるところ全ておとり。初めから本物はなかったのだ。そうこうしている内に……
「っ……」
[(相棒、今度は射撃です、来ます!)]]
「ッ……」
一瞬、迷った。今度も全て幻影ならば、回避する必要はない。魔力を探る方に力を注ぎ、相手を見つけることに労力を割くべきだ。しかし……
「(俺なら……)」
このタイミングこの流れなら……
「「「「「いっ、けぇ!!」」」」」
接近する五発の弾丸、直後に、クラナは両手を突きだした。
「アルっ!」
[Absorb]
クラナに弾丸が直撃する刹那に、五発の弾丸がクラナの生み出した障壁にかき消される。瞬間、弾丸の出どころは知れた。右端のレイリ―が放った一発にだけ、本物が混じっていたのだ。つまり……
「(それを撃った奴が本物っ!)いくよ!」
「Roger!」
即座に、右手に緑色の魔力がチャージさせる。他は全て無視して、その右端のレイリ―をにらむと、目に見えて表情が変わった。間違いない
「ディバイン……」
[Discharge]
「──バスター!!」
なのはもヴィヴィオも多用する高速砲撃。一直線に飛来したそれを、何とかレイリ―は避けたが、体制を崩した。そして当然、そこを逃すクラナではない。
[Fourth gear unlock, Acceleration.]
間髪入れずにアルが身を加速させるのと同時、クラナは飛び出した。レイリ―はまだ体制を立て直している最中だ。確実に一撃入る。一機に間合いに入り、拳を突きだし──
[Dystopia,Utopia,Drive ignition.]
直後、レイリ―の身体が、“クラナの数倍早く動いた”。
突きだした拳当たり前のようにかわされ、いつの間にか展開されていたあの光の棘が、クラナの水月をを直撃する。
「──スティングレイ」
「……かっ!!?!?」
吹き飛んだクラナの身体が、地面に叩きつけられた。二点、三点と転がったその身体が、地面に倒れ伏す。会場全体が、静まり返っていた。
「お兄……ちゃん……?」
会場のどこかで少女の声が響くのと同時に──
「[Down count 10……9……8……]」
カウントを始める機会音だけが、冷静に事実だけを告げていた。
クラナ・ディリフス・タカマチ DAMAGE 6230 LIFE 5770
ボディ蓄積ダメージ 18%
会場中が起きたことを正しく認識できな
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