暁 〜小説投稿サイト〜
『残骸』
『うみ』

[8]前話


海鳴りは悲しい?怖い?
でも私には慰めだった。

約束を守れない僕は愚か者だろう。
欠点全て認めて受け入れるなんて無理。
こんな醜いもの受け入れるなんて...

誰にだって辛いことや苦しいことが在る。
死にたいくらい追い詰められてる人も居る。
解ってるよそんなことくらい。

楽しいことなんて求めてない。
ごくごく、ありふれた日常に当たり前のように居たいだけ。
ありふれた日常が本当の幸せだろうから...。

あの日あの場所で交わした約束は、永遠に叶わない。
どんなに願っても咲かない。
咲いても摘まれると解ってる。
咲いたところで綺麗じゃないのも解ってる。

絶望なんてもう見飽きた。
裏なんて見飽きた。
腐った世界なんてもう見たくない。

誰かの前で泣ける誰かを羨んでた。
人知れず涙流しても、叫んでも、誰にも気付かれない。
其れを悔しがってる私は馬鹿で哀れで愚かだ。
弱さを晒したいわけじゃない。
強がってなきゃ意味が無い。

今夜も海に慰めてもらおう...



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