28部分:第二十七話
[8]前話 [2]次話
第二十七話
第二十七話 ライバル!?
クラウンが名を知られるようになって暫くしてから。何やら人気のある一人の女の子が出て来ていた。
彼女の名前は九条雅美。何でも小学校六年で華奈子達の隣の学校にいるらしい。
黒い髪をとんでもなく長くして琥珀の目が輝いている。そして端麗な美貌を誇っている。アイドルというよりはモデルといった外見である。
しかもそれだけではなかった。何と魔法も使うのだ。音楽も。
「おい、凄いぞ」
「ああ」
路上ライブを見て誰もが言う。
「あの娘」
「何か凄い娘が出て来たな」
一人でギターで歌っている。ロックもバラードも。見事なものであった。
「クラウンとどっちが凄いかな」
「さてな」
ふと話がクラウンにいった。
「どっちやら」
「甲乙つけ難いだろうな」
「そんなのはわかっているわ」
だが雅美はそう話す観客達に対して言った。
「おろ」
「何がだい?」
「どっちが凄いかってことでしょ」
「まあそうだけれど」
「聞こえてた?」
「ええ。それでね」
雅美は不敵に笑っていた。
「それに答えてあげるわよ」
勝気な様子で言う。
「じゃあどっちなんだい?」
「随分自信ありげだけれど」
「またえらく」
「それじゃあわかるわよね」
雅美は言う。
「私の方が上よ、絶対にね」
「絶対にか」
「またえらい自信だな」
観客達はそれを聞いて彼女に返す。
「そうよ。だって」
彼女の言葉ではこうであった。
「私は一人なのよ。クラウンでは六人」
「まあそうだけれどな」
「それで負ける筈ないじゃないの。一人でやってるのに」
「束になってもってやつだな」
「そういうこと」
不敵に笑ってきた。
「何があってもクラウンには負けないわよ」
「じゃあ見せてもらおうかな」
「どっちが上かをな」
「もう結果は出ているけれどね」
雅美は相変わらず不敵なままであった。このことはすぐに六人の耳にも入ることになった。雅美とクラウン、彼女達の戦いが今はじまろうとしていたのであった。
第二十七話 完
2006・11・7
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ