暁 〜小説投稿サイト〜
陸軍兵士が誤って海軍鎮守府に移籍させられてしまったようです
歓送迎会?
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ールを左右に揺らしながら一人の少女が駆けてきた

「こんばんはです暗闇さん」

「文月か」

 とてとてとこちらにやってきたのは数時間前に俺に告白紛いなことをしてきた少し変わった少女-文月。ビシッと敬礼までしての挨拶は正直やめて欲しいな

「あっちには参加しなくていいのか?」

「はい!さっきまで騒いでたので少し落ち着こうと思いまして」

「そうか。ま、座ってくれ。酒は飲むか?」

「へ?あ...お、お願いします」

 おずおずと俺と対するよう座る文月を視界の端に見ながら机に置かれた未使用のグラスに氷をたっぷり入れ酒を注いだ後軽く指で混ぜる

「口に合うかわからんがどうぞ」

「あ、ありがとうございます。いただきます」

「...ちょっと待て」

 差し出したグラスを両手で包む様に受け取り早速口をつけようとする文月に声をかけ静止させると何故?と言ったように首を傾げる。おいおい折角の歓送迎会なんだろ?

「...取り敢えずグラスを前に出せ」

 俺の言葉を理解出来ていないのか首を傾げたまま俺の指示通りグラスを握る手をこちらに出してくる。それに合わせ俺もグラスを前に出す。

「乾杯」

「ふぇ?」

 カチンとグラス同士がぶつかり合い氷がカランと音を立てる。歓送迎会なのに乾杯の一つもないのは可笑しいだろ?
グラスをぶつけ合って数秒後やっと意味がわかったのか遅れて乾杯ですと文月がニッコリと微笑えむ

「それでお前は何しに来たんだ?」

「特に用事はありませんけど暗闇さんとお話ししたいなって」

「変わった奴だな」

 グラスを傾けながら視線を動かすとこちらを見ている艦娘達がちらほら視界に入る。
 先程から視線を感じていたがこちらに来ようとする気配はなく、ただこちらの様子を見ているだけ。
 そんな視線の中こちらに来た文月はある意味肝が据わっているかもしれない。当の本人はそんな視線には気づいていないようで何が嬉しいのかチビチビと酒を飲みながらニコニコ笑顔でこちらを見ているだけだが

「...そう言えばお前よく俺が暗闇だってわかったよな」

 ふと口にした言葉は俺の今の容姿についてだ。
 ただ三つ編みをアレンジしてもらっただけで兄貴が迷う位変化した程の容姿の変化を何故まだあって数時間のこいつがわかったのか疑問が浮かんでる

「わ、わかりますよ!す、好きな人ですから」

「容姿を見たのはさっきが初めてだったろ?」

「そうですけど、わかるものはわかるんです!」

「その根拠が知りたいんだが」

 俺の返答に文月はプクッと頬を膨らませる。 ただ、理由はなんにせよ俺を暗闇だと確信出来ているのは三つ編みを編んだ電を除いて文月だけなのだ

「…瞳です」


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