暁 〜小説投稿サイト〜
陸軍兵士が誤って海軍鎮守府に移籍させられてしまったようです
歓送迎会?
[14/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
の意味なのです」

「ほぉ」

 ぽつりと呟かれた一言に関心の声が漏れる。蝶の刺青は珍しいがそんなに興味が出るものではない。それも最近初めて刺青を見たとなれば尚更。
 それを自主的に調べるとなると俺について何か分かると踏んだのか?

「それで、意味はなんだった」

「...魂の具現化、なのです」

 小さな声。その声は静かな波の音に掻き消されることなく俺の耳に届く。
 魂の具現化か...確かに蝶は生命や感情を表す意味を多く持つが

「半分正解ってところだな」

「は、半分ですか」

「あぁ。ところで蝶の数は覚えてるか?」

「数ですか?確か...四匹...いえ五匹なのです」

「...正解五匹だ。蝶の刺青ってのは蝶の数で意味が少し変わって蝶の数が五匹の時は...魂の集つどいって意味になる。俺は少し意味を変えてるがな」

 魂の集い...簡略的に言えば魂の集まりだが俺は生死問わずその者の魂を背負って行くと言う意味で入れている。そうなると先程電が調べたという意味もあながち間違っていない、だから半分正解だと答えたのだ。

「それじゃあ...他の数だとどんな意味になるんですか?」

「一匹なら孤独又は拒絶、二匹なら純愛又は束縛、三匹なら守護又は破棄、四匹なら幸福又復讐、五匹なら集い又は消失だった筈だ。後は知らん。もちろん俺みたいに意味を弄ってる奴もいるが基本的には今言った意味で入れる奴が多い」

 俺は人に見せる事が少ないからいいが見られる人にとっては良い意味も悪い意味も同じ数で表す刺青は少し厄介だ。
 他人にはどちらの意味で入れているか分かり辛いし逆の意味でで取られてしまう時も少なくない

「数だけでそんなに意味が変わるんですね」

「おかげで入れる時に数とか考えなきゃならねぇから面倒だ」

「それは仕方ないのですよ」

 にっと笑う彼女につられ口元が緩む。確かに数を考えるのは面倒だがそれすら苦にならない程に大切な意味を込めて刺青は入れるものだ。
 恰好いいとか見た目だけでも他の何かの為であってもな

「それで、本当に聞きたい事はなんだ?」

「へぇ?」

「バレてないとでも思ってたのか?まぁいい早く話せ答えられる範囲で答えてやる」

「...暗闇さんには隠し事はできないのですね。私が本当に聞きたかった事は暗闇さんについてなのです。あ、も、もちろん!刺青のことも聞きたかったんですけど」

「分かったから落ち着け」

 勝手に自爆しアワアワと慌て出した電に苦笑いしながらポンッポンッと軽く頭を叩いてる。

「それで、俺の何が知りたいんだ?」

「えっと...暗闇さんがここに来る前のお話?とかなのです」

「何で疑問形なんだ。ここに来る前の話か、そうだな〜
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ