第二十九話 姉との再会その十三
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そのうえで自分の寝室に向かおうとするが飲み終えて今はかなり酔いながらもちゃぶ台のところに座っている姉に問うた。
「姉さん何処で寝るの?」
「ここでね」
「お布団敷いて?」
「寝るつもりだけれど」
「そうするの」
「ええ、お布団あるのよね」
「寝室にあるから持って来るわね」
「いえ、自分で運ぶから」
だからだというのだった。
「いいわ」
「けれどかなり酔ってるじゃない」
「貴女の方が酔ってるわよ」
もうふらふらになっている優花を見てくすりと笑って告げた。
「意識はあるみたいだけれど」
「けれど」
「いいわ、自分で運ぶから」
「寝る服はどうするの?」
「朝走る時の服がジャージだから」
「ジャージで寝るの」
「そうするわ」
優子も優花も普段はパジャマを着て寝ている、だがこの日はというのだ。
「パジャマじゃないけれどね」
「ジャージで寝るのね」
「別にいいわよね」
「寝巻きにも使えるからね」
ジャージはとだ、優花も答えた。
「それならね」
「それを着て寝るから」
「それじゃあ」
「それを着て寝るわね」
「じゃあお布団も」
「寝室から運ぶから」
こう言ってだ、優子はちゃぶ台の傍から立ち上がってだった。
そのうえで優花の傍に来てだ、妹に尋ねた。
「運ぶわね」
「結構以上に酔ってるじゃない」
「だからそれを言ったらね」
「私の方がっていうのね」
「もう足にきてるじゃない」
ふらついていた、確かに。
「だからいいわよ」
「そうなの」
「そう、だからもう優花は寝て」
「お布団を敷いて」
「そうしてね」
「それじゃあ、ただ」
ここでだ、優花はあることを思い出した。その思い出したことはというと。
「歯を磨かないと」
「寝る前にね」
「そうしてから寝るわ」
「そこも前と同じね」
「そうね、男の子だった時と」
「性別が変わっても同じところは同じね」
「何かね」
くすりと笑ってだ、優花も答えた。
「そこは変わらないわね」
「根は性別が変わっても一緒ね」
「そうみたいね」
「じゃあ私も歯を磨いて」
「寝るのね」
「そうするわ」
こう二人で話してだ、そしてだった。
二人は飲み終えた後それぞれ歯を磨いて寝る支度をした、優子は寝室に実際に居間に布団を持って来てそこに敷いて寝た、優花が部屋を出た後ジャージに着替えたうえで。
この夜優花はかなり深く寝た、そして。
朝五時に起きると姉はもう家にはいなかった、だがそこから風呂に入って二日酔いで重くなっていた身体をすっきりさせて出るとだった。
優子は帰ってきていてだ、彼女に笑顔で言ってきた。
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