・・・はぁ!?
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りも遥かに早い!!)
自身の速度に限りなく近付いてくる敵を目にして額に汗が滲んでくる。おまけに、彼は口呼吸を行うことができないため、息が切れると整えるのに時間がかかる。
(息を乱さずに片手で今のトビーさんを倒さないといけないのか。ちょっと・・・いや、かなりキツいかな)
条件があまりにも不利すぎることに戸惑いながらも、今ここで自分が負けることがどれだけチームに影響を与えるかを把握している彼は、やるしかないと腹を括る。
ダッ
本来ならプレスで先制攻撃を行い、体勢の崩れたところを攻めたいところだが、前述の通り口を開くことができないため、懐に入り込むべく地面を蹴る。
「やらせるかよ!!」
(なんでキレてんだよ)
よくわからないタイミングでキレるトビーに心の中で突っ込みながら彼の一手を回避しつつ魔力を左手に集める。
ビュッ
冷気を集めた拳を顔面へと突き刺そうとするレオン。しかし、その動きは見切られており、トビーは頭を下げて難なく回避する。
「当たるかよ!!」
「っ!!」
重心を下げた姿勢から上に上半身が被さっている敵に向かってアッパーパンチを繰り出す。それに対し、レオンは反応が遅れかけたが、体を反らして鼻先を掠める程度に留めることができた。
(ヤバッ。声出そうになった)
だが、反射的に体を反らしたために口から手を外しそうになってしまい、絶叫モードに突入してしまうところだった。
(叫び出したら止まんなくなりそう。向こうの攻撃も対処できないだろうし)
叫んでいる間は無防備な状態になってしまう。そうなればいくらレオンとはいえども強化版トビーに打ち勝つことは困難だ。
(最悪負けても時間だけは稼いでやるか)
この5スペルサバイバルは先に敵チームのプレイヤーを倒した方が勝者となる。小さき魔術師はシリル、人魚の鱗はカグラがプレイヤーとなっているため、この二人の戦いは勝敗に影響がないとも言える。
ならば最低限度の仕事さえしてしまえばいいと考えた少年は、一度呼吸を整えもう一度口をガッチリと塞ぐ。
(それじゃ、死んでくるとするか)
負けて当たり前となれば気が楽だ。そう言わんばかりに緊張感のないほどリラックスしているレオンは、トビーの次の動きを眠そうな目で観察していた。
両軍の最強戦力がしのぎを削っているちょうどその時、別の場所では両チームのプレイヤーを撃破するための戦いが繰り広げられようとしていた。
「シリル、後ろに下がってて」
「カグラ、下がってろ」
両チーム自然と同じ隊形へと変化する。この場にいる|小さき魔術師《リトルマジシャン
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