暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
・・・はぁ!?
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
第三者side

ダダダダダダダッ

シリルたちが戦いを始めようとしていた頃、彼らの元から音速を凌駕するほどの速度で離れていく二つの人影があった。

(すげえ力・・・左手だけでここまで強く掴めるのか?)

心の中で感想を漏らしたのは不意にタックルを受けた青年。彼を押している少年は、右手で口元を抑え、左腕だけで自身を運んでおり、そんな状況でも決して逃げられるようなミスをしないレオンにトビーは少々・・・いや、かなり驚いていた。

(いつもの俺なら間違いなく動けねぇ・・・()()()()()ならな)

ガッ

「!!」

捕まれていたトビーが腕を伸ばし、少年の左腕を掴むと、自らの自由を奪うそれを無理矢理引き剥がす。

「オオーン!!」
「!!」

動けるようになった彼はそのまま目の前にいる人物に回し蹴りを入れると、レオンは何もできずに近くにそびえ立っていた巨大な柱に打ち付けられる。

(くっ・・・)

立ち込める砂煙が晴れていくと、きれいに形の整っていたはずの柱の一部が大きく凹んでおり、その中心には背中を強打して、顔を歪める氷の神が尻餅をついていた。

(声も出せないからいつもよりダメージを受けたように感じる・・・)

普通なら攻撃を受けた際に、悲痛な叫びをあげるものだが、今の少年にはそれをすることができない。口を開くとリオンの5スペルの効果により、絶叫することしかできず、かえって喉を酷使し苦痛を味わわなければならないのだ。

(一体リオンくんはどんなスペルを使ってるんだ?)

シェリアとウェンディが考えられる五文字をあげてコールしてみたが、どれも外れだったらしく解除することができなかった。つまり、相手が予測困難なスペルにしていることが想像できる。

(リオンくんのことだから、“さけぶアホ”とか俺を罵倒するスペルを使ってそうだな・・・いや、さすがにそれはないか)

レオンは口元を押さえたまま立ち上がり、敵の姿を見据える。

「オオーン!!今のレオンなら余裕で倒してやるぜ!!」

片腕しか使えない上に口が開かないように力を入れていなければならないレオンと、“絶対無敵強”によって身体能力を強化しているトビー。当然優位性を保っている青年は余裕の笑みを浮かべ、厳しい戦いを強いられる少年は眉間にシワが自然と寄っていた。

「メガメガくらげぇ!!」

長く伸びた爪を駆使して攻撃を加えてくるトビーから一定の距離を保つように後ろへと飛んでいくレオン。だが・・・

カスッ

(っ!?)

いつもなら容易く避けることのできるはずの攻撃が、右肩にわずかではあるがかすっていた。

(ソフィアの言う通り、トビーさんは身体能力向上系のスペルか。動きがいつもよ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ