マブラヴ
1501話
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既に資源と同じ扱いとなっているのだ。
それも幾らでも湧いて出てくる、そんな資源。
いや、実際にはBETAだって何もないところから生み出されている訳じゃない以上、このままの日々が続けば、いずれBETAの数も限界を迎えるだろう。
……中には、そうなったらまたBETAに資源を補充させる為に一時的に新たなハイヴを作るのを黙認しようという勢力が一定数いるんだよな。
いや、言ってる事は理解出来る。
純粋に資源の保護という意味で考えれば、それは決して間違っている訳ではないのだから。
地下や鉱山を掘って各種資源を得るより、BETAの死骸をシャドウミラーに渡して資源を得た方が圧倒的に手間が掛からず、その上実際に資源を掘るよりも利益率が高い。
その点だけを考えれば納得出来る話ではあるのだが、問題はその資源の対象がBETAだという事だ。
地球で今までBETAがしてきた事……どれだけの人間がBETAに殺され、故郷をBETAによって破壊されてきたのか。
それらの被害者の中には、当然BETAを全滅させずに生かしておくのに我慢出来ない者もいる。
まぁ、逆にBETAを生かさず殺さずとする事で復讐心を満足させている奴もいるが。
ともあれ、BETAの資源化というのは利益だけを見れば非常に高いのだが、心情的にそれを許容出来ない者がいるというのが問題となっている。
今のところはまだそこまで大きな騒ぎになっていないが、このまま放置しておけばいずれ再びそれを許容出来ない奴が行動を起こし……下手をすれば、再びテロリストが活発に動き始めるようになりかねない。
その辺は今後のこの世界の課題だ。
……とにかく、そんな理由から現在の地球でBETAは既に脅威と見なされていない。
そんな脅威と見なされていないBETAに対する反攻作戦として用意されたオルタネイティヴ4に、クリスカとイーニァの2人を引き抜けるかと言われれば……少し難しいだろう。
何しろ、オルタネイティヴ4そのものが既に形骸化しているのだから。
だが……そう、だが。
そこに俺というファクターがいれば話は別だった。
事実、夕呼の中にあるのも俺を協力者にしようという事なのだろうから。
それに、イーニァの部屋を見る限りでは、とてもではないが一般的な生活をしているようには見えない。
粗末なベッドがあるだけで、壁には壁紙とかもない、ただ素のままの壁。
そう考えれば、やっぱりソ連にいる事がイーニァやクリスカにとって幸せではないのは明らかだろう。
だが、その辺は夕呼の下に引き取られてから自分達で決めるだろう。
「……はぁ、分かった。こっちの方で手を打つ」
じっと意味ありげな視線を俺に向けてくる夕呼に、そう告げる。
その瞬間、再び夕呼は俺の方に向かって一歩踏み出
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