Lv35「不死王、贅沢する」
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俺は、世界一の金持ちになって思ったのだがな。
金はたくさんあればあるほど、人生を縛り付けてくる。
金を更に増やすために働かされて、人の自由を奪ってしまう厄介な代物なのだ。
だから……運用は全て銀行に任せてある。金は好きな時に少し使えば良いだろう」
ワルキュラは自分で言いながら、ドリームランドなら生活費ゼロだなぁと思った。
夢の世界では、ほぼ全ての施設がゴースト系アンデットのおかげで、無料で使用できる。
だが、ホネポは夢の世界に……現実の話を持ち込んで話を続けてきた。
「金持ちが金を使わないと経済が回りませぬ。
陛下が質素な暮らしをしているおかげで、大勢のアンデット達が最小限の贅沢しかしない質素な生活をしております」
「ふむ……?」
「金が循環しなければ、庶民の給料も下がり、国の豊かさが減じます。
どうか、帝室収入をもっと使ってくださると有難いのですが……」
「では、寄付しよう。
どこが適当な慈善団体はないか?
人間王国への人道支援はどうだ?」
「いえ、陛下が贅沢をしてくださると、消費が活発になって経済が好調になるという話でして……」
「ふむ、そうだな……」
金を使う最大限の贅沢。
それは現実世界の自分の仕事だ。
夢の世界のワルキュラだと、どうにも実感が湧かない。
こうやって、好きな娘と夜空を見上げてイチャイチャする以上の贅沢があるのだろうか?
ふと、隣にいる銀髪ロリを見ると――ニコニコと微笑んでいるルビーの真っ赤な目が、自分の黒い目を覗き込んできた。
「どうしました?ワルキュラ様?」
「……何かほしい物はあるか?何でも買ってあげよう」
ワルキュラは、目の前の可愛すぎる生物に問いかけた。
一分ほど、ルビーが考えた後に首を傾げて――
「ほしい物は……ワルキュラ様の愛?」
この合法ロリを嫁にして良かった。
夢の世界のワルキュラは、心の底からそう思えた。現実世界のワルキュラも、きっとそうだ。
……翌日、ルビーの食後のデザートが、高級プリン1個から2個に増えた。
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パルメ「体が複数あれば、ハーレムなんて容易い!」
分身ワルキュラ「実は本体を倒しても、分身は残り続けるぞー!」
パルメ「なにそれ、こわい」
ワルキュラ(帝室収入はよく考えたら……税金ではなく、エネルギー利権だったな……。
俺が税金で生活していると思っているのは勘違いだったのでは……?
なんで俺は、メリットもないのに、帝国を経営しているのだろうか……?
いや、帝国が無かった
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