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Lv.9999億の骸骨(勘違い物)・ω・`)ノ
Lv34「狐娘とテレビと児童車」後編
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出来ればキーニャンが子供を引き取りたかったが、そんな経済力は狐娘にはない。
孤児院に預けるという選択肢はあれど、児童車として扱われてきた子供たちを更生させる自信がなかった。
いや、もしかしたら――児童は、車の一部になっている。そんな嫌な可能性がキーニャンの脳裏を横切った。

「あ、あの、ワルキュラ様!」

「どうした?」

「じ、児童は、く、車の一部なのでしょうか?」

「自動……?ああ、車の動力の事か?当然、車体の内部に入っているが、それがどうかしたか?」

「も、もっふぅ!?」

子供達は、人間の身体を留めていない。
最悪すぎる事実を理解してしまった。
きっと、肢体をバラバラにされて、子供達は車輪とかになっているんだと、キーニャンは理解し、狐耳がピクピクと痙攣し、恐怖する。

(猟奇殺人鬼より怖いよっ……!
帝国じゃ、人間はきっと家畜程度の存在なんだっ……!
ああ、神様、魔王様、破壊神様、ワルキュラ様……!
誰でも良いから、悪の帝王を倒して……!)

「ところで、キーニャン」

ワルキュラの問いかけに、キーニャンの思考は現実へと帰還した。

「もっふぅ?」

「俺がプレゼントしたテレビの……ガラスが割れて壊れているようだが?」

「も、もっふぅ!?」

ばれた、殺される。いや、身体をバラバラにされて車の動力にされる。
そんな未来は容易く想像できる。
目の前の化物を怒らせたら、死ぬとか、拷問とか、生き地獄という言葉すら生ぬるいと思える地獄しか待ってないに違いない。

(もっふぅ!?もっふぅ!?)

命の危機を感じすぎて、キーニャンの思考は混乱していた。
もう人生詰んだ、終わったと本能で理解しちゃった。

「どうやら、相当の機械音痴のようだな……」

「もっふぅ?」

「確かにキーニャンには、自動車は必要ないようだ……うむ」

「そ、そうなんです!
徒歩は健康的で、経済性も素晴らしくてモッフフなんです!
(生き残れるチャンスだ!)」

「おや?床に落ちてるハンマーは何だ? 」

「あ」

「ま、まさかっ…… !キーニャン……お前はっ!」

ハンマーを回収して、倉庫に戻すのを忘れていた。
幾らなんでも、物証(ハンマー)が現場にあるから誤魔化し切れない。
テレビを意図的にぶっ壊した事を、ワルキュラがすぐに理解する事は明白だった。
キーニャンの今までの人生が走馬灯のように蘇る。
お父様の尻尾が、とてもモフモフして、モッフフーだった事。
お母様の尻尾も、大きくて柔らかくて、モッフフーだった。
可愛い弟の銀色の尻尾は、良い匂いがして、素晴らしい抱き心地でモッフフー。
死刑判決が下る僅かの間に、全人生を思い出せちゃった。

「キ、キー
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