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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第545話】
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アさん」

「何かね」

「……何故貴方は私を会長職に推したのかしら?」

「……世界をより良い方向に導くために――とだけ言っておこう」


 もう何度目になるかわからないウィステリア・ミストの問答――世界をより良い方向に導くためにとは彼にとっての都合の良い世界の事なのだろうか。

 答えはわからないまま、壁に凭れかかっていたウィステリアは――。


「……そろそろ私は退散するとしよう」

「わかったわ。 ……有坂ヒルト君の件は大丈夫。 ……とはいえ、貴方の方でも裏で糸を引いてそうよね」

「フッ……」


 小さく笑みを溢すと、ウィステリア・ミストは静かに姿を消した。

 一人残された会長は小さくため息を溢し、改めて有坂ヒルトの資料に目を通し始めた。

 ウィステリアが投じた小石の波紋は小さくあるも、それは確実に世界をかえる兆しを見せている。

 運命は変えられる――だが、油断すれば直ぐに悲惨な未来へと繋がる。


「さて……京都を境に運命は枝分かれするだろう。 ……それまで暫し、楽しみたまえ……学生諸君」
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