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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第545話】
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 世界はゆっくりだが、確実に変化の兆しを見せていた。


「では会長、織斑一夏君を日本の仮の代表候補生に昇格という事でよろしいですね」

「ええ。 初代ブリュンヒルデの弟……メディアでの人気を省みても問題はないでしょう」


 そう言いながら織斑一夏の資料を眺めるIS委員会の会長、その横にある資料は有坂ヒルトの物だった。

 IS適性ランクE――だが、会長自身キャノンボール・ファストでの有坂ヒルトの活躍を目の当たりにしている。

 一旦織斑一夏の資料を置き、有坂ヒルトの資料を手に取ると――。


「会長、そんな適性の低い屑の資料等読んでも無駄ですよ」

「…………」


 黙ったままその資料を目に通す会長――資料内容はこれまでの模擬戦結果や明らかにされている襲撃事件、学園内での素行等が書かれている。


「……この資料に、どれだけの信憑性があるのかしらね……」


 メディアにも取り上げられたキャノンボール・ファスト、だが大会中止によって活躍を放送することはなかった。

 だが、あの大会での有坂ヒルトの操縦技術は資料に書かれている内容とはあまりにも違いすぎる。

 代表候補生に昇格させても問題はない――だが、周りはそういう評価ではないのが痛かった、頭の硬い人間ばかりなのも悩みの種だった。


「……有坂ヒルト君の件は明日にでも決めることに致しましょう」

「会長、議論する価値もないですよ。 委員会全員一致で有坂ヒルトの代表候補生昇格を反対しますよ」

「……そうかしら。 ……何にしても、明日で決まります。 下がっても結構です」

「…………」


 苦虫を潰した様な表情で出ていく五十代の男――そして、いつから居たのか仮面を着けた男が姿を現す、個人用ステルスフィールドを展開していたイルミナーティ総帥ウィステリア・ミストだった。


「どうも彼は頭の硬い人間の様ですね、会長」

「……そうね。 ……とはいえ、私もその活躍を目にしなければ彼と同じ意見だったんだけど」

「成る程。 ……とはいえ、貴女は評価が変わりつつある。 傾向としては良い方向に進んでいると言えよう」


 腕くみして壁に凭れ掛かるウィステリアに、会長は横目で見ながら考える。

 ――不思議な男、裏の世界の頂点にいながらも権力に固執しているわけではない――だからといって圧力をかけてこない訳ではないが、不思議とどこか世界の遥か先を見据えているような……。


「……私を見ているが、どうしたのかね?」

「……いえ」


 素っ気なくそう言うも、僅かながらに目を奪われていたのも事実――纏めていた髪を下ろし、深く椅子に腰を掛けると軽く息を吐いて言葉をかけた。


「ウィステリ
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