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第二十話
第二十話 先生とお話
「ねえ皆さん」
今田先生が塾で六人に話し掛けてきた。魔法の授業の後である。
「魔法のことだけれど」
「はい」
「ちきんとやっていますか?音楽だけじゃなくて」
「勿論ですよ」
「ほら、こうやって」
それぞれ魔法を見せる。それはどれもいい感じだった。
「どうですか?」
「いいですね」
それは先生も認めた。
「ただ」
「ただ!?」
だがここで付け加えるのを忘れない。
「何か変わっていますね」
「変わってます?」
華奈子がそれを聞いて問う。
「はい、癖がついています」
「癖、ですか」
「例えば華奈子さんのですね」
先生はそれを説明する。
「動きがハイテンポになってそれに合わせて魔法まで」
「はあ」
「何か勢いよくなってます。そこが変わってますね」
「そうなんですか」
「他の皆さんもそうですよ」
先生は他のメンバーに対しても言う。
「動きに音楽のそれがありますね」
「ううん」
「じゃあやっぱり」
「いいことです」
だが先生の言葉は意外であった。
「えっ」
「それでいいんですか!?」
「はい、個性が出て」
先生は言う。
「いいんですよ」
「個性ですか」
「そうですよ、魔法は個性」
先生の持論であるようだ。
「個性が出ればそこから伸びるんですよ」
「じゃあ音楽やってもいいんですね」
「はい」
にこやかな笑みが返ってきた。
「どんどん。ただ」
「はい、わかってます」
それから先の言葉はわかっていた。
「魔法もどんどん勉強していきます」
「はい」
その言葉を聞いて最後ににこりと笑う先生であった。
第二十話 完
2006・10・16
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