第一章
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しゃっくり
道城麻衣はここ数日困っていた、とにかくだ。
「まだか」
「ええ、そうなの」
面長で鼻が高く赤い唇は大きい。蒲鉾形の目は大きく茶色にした髪の毛を伸ばし左右の端を少し巻かせている。背は一六一程だ。
夫の徹也にだ、その困った顔で言うのだ。徹也は丸めの鼻で頬がす凍しすらりとしている感じで色も形も薄い唇で細い目である、細い質の髪の毛を茶色にしている。二人で繁華街で徹也の親が受け継いだカラオケボックスを繁盛させている。
「これがね」
「しゃっくりがか」
「止まらなくて」
それでというのだ。
「この通りね」
「困ってるんだな」
「息を止めてもお水を飲んでも」
よくあるしゃっくりの止め方を実践してもというのだ。
「これがね」
「止まらないか」
「全然ね」
「随分しつこいしゃっくりだな」
徹也も困った顔で言う、今二人は自宅にいてそこで話をしている。
「それはまた」
「そうなのよ」
「何かないか?」
「何かって?」
「だから驚くこととかな」
「そうは言ってもね」
麻衣は夫の言葉を受けてこう返した。
「私自分でも言うけれど」
「肝っ玉が座っててな」
「ちょっとやそっとのことだと」
それこそというのだ。
「驚かないから」
「そうだよな」
「幽霊でも妖怪でもね」
「変態さんが出てもな」
「驚かないわよ」
実は麻衣は空手七段、合気道六段だ。中々の猛者でもあり学生時代人質を取った五人の不良を急所攻撃等も使って二度と悪事を考えたくなくなるまで叩きのめしたこともある。
「別にね」
「銃を持った悪党でもな」
「勝てる自信あるから」
その空手や合気道でだ。
「しかも私の空手の流派はね」
「実践でな」
「殺人術もあるから」
その急所攻撃だ、実は麻衣の最大の得意技でもある。
「脳天やみぞおちや喉もね」
「急所だな」
「お鼻とお口の間もね」
目と目の間、顎、額、鼻、口もだ。
「そうした場所を攻撃したらね」
「猛獣でも一撃だな」
「そうよ、流石に熊を倒したことはないけれどね」
「目の前に何が出てもな」
「驚かないから」
「ちょっとやそっとじゃな」
「だから余計に困ってるのよ」
そうそう驚くタマでもないからだ。
「どうしたらしゃっくり止まるかしら」
「そうだな、ちょっと僕の方もな」
徹也も夫として言った、今もしゃっくりをしている妻に対して。
「考えてみるよ」
「そうしてlくれる?」
「何か飲む、息を止める」
「それも駄目で」
「他の方法もな」
「それじゃあね」
こうしたことを夫婦で話した、徹也も妻をどうしたら救えるかと考えていた。この話を自宅でした次の日にだ。
彼は職場の休憩室、店のスタッフ用の場所
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