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アルケミスト
第四章
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 グライゼナウはさらにでした、実験から色々なものを生み出しました。
「畑の虫を殺す薬ですか」
「それも出来たしな」
 シュタインホルクにその薬も出しました。
「また出来た、それにじゃ」
「ええと、火薬も」
「これまでの火薬よりもな」
「いい火薬が出来ましたか」
「それも出た」
 実験の中でというのです。
「金は相変わらずだがな」
「そうですね、ただ」
「それでもな」
「色々なものが出来ていますね」
「全てご領主様に紹介しておる」
「そしてそれが造られて」
「売られてな」 
 そうしてというのです。
「領地を潤しておる」
「そうですね」
「思わぬ展開じゃな」
「全くですね」
「しかしどうもな」
 グライゼナウはシュタインホルクにこうもお話しました。
「ご領主様はな」
「喜んでおられますね」
「国が潤ってな」
「それで、ですね」
「しかも造る時に人を雇うからな」
 このこともあってというのです。
「領地で溢れそうになっている者に仕事を与え」
「他の領地からもですね」
「人が来ておる、人が増えた」
 結果として、です。
「よいことにな」
「金が出来なくとも」
 ついでに言えば不老不死の霊薬もです、まだ出ていませんが。
「それでもですね」
「色々出来てな」
「それが領地を潤していますか」
「思わぬことじゃ」
「全くですね、ただあのワインも石鹸も」
 こうしたものについてです、シュタインホルクは言及しました。
「美味しいですし役に立ちますし」
「そして売れておるからか」
「黄金みたいなものですね」
「そういえばそうか、実は今度はな」
「今度は?」
「砂糖を使って実験してみたが」
 砂糖から黄金を生み出そうとしたのです。
「それがな」
「黄金は出なかったけれどですか」
「白い砂糖が出来た」
 これまで砂糖というと黒いものでしたが。
「これはかなり甘い」
「黒い砂糖よりも」
「また別の甘さだ」
「そうですか」
「ちょっと味わってみるか」
「はい、それじゃあ」
 実際にでした、シュタインホルクはその白砂糖を味わってみました、するとです。
 黒砂糖とはまた違う独特の甘さで美味しかったです、それで言うのでした。
「これもいいですね」
「そうだな、じゃあこれもな」
「ご領主様に紹介して」
「領地で造ればだ」
「売れますね」
「そしてお金になる」
「これもまた」
 白砂糖もです。
「いい感じになりますね」
「うむ、金は造り出せないままだが」
「お金になるものはですね」
「どんどん出て来ているな」
「全くですね」
 二人でお話するのでした、グライゼナウは黄金を造ろうとし続けました。その途中で売ってお金になるものを次々と生み出しました。

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