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第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#16
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE[ 〜Ancient Dragon〜
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ぼした嘗ての死闘、
悲劇の再来にジョセフの全身の血は凍り付いた。
「む、う、フッ、クククククククククク。
統世王殿が、 “陽の光に気をつけろ” と言ったのはこの事だったのか……
全く、なんという激痛だ、フッ、フフフフ」
 片膝をついた男は広い背から波紋傷による煙を噴き上げ、
頭蓋を劈く痛みを呑み込み苦笑した。
「 “吸 血 鬼 化(きゅうけつきか)” されておるのか……!
死者をも甦らせるというDIOの血、
まさか紅世の徒にも同様の効果があるとは……!」
「フッ、フフフフフフフフフ。
人間の老戦士よ。
偶発的にだが、この私を地に伏した事に敬意を表し、全容を語ってやろう。
確かに私は嘗て “万条の仕手” との交戦に敗れ 「消滅」 した存在だ。
そして永らく黄泉(よみ)(ふち)で眠っていたが、
ある時 “頂の座” の囁きに起こされた。
そのまま永遠に眠っているのも一興だったが、
果たさねばならぬ 『使命』 を想い出し再び眼を開けた。
500年の時の中、世界は随分と変貌を遂げたようだが、
我が胸の裡に宿る 『志』 は、未だ輝きを失わず存在し続けている」
 悠遠の刻へ浸るように、男は切れ長の瞳をより細めて憂いの表情を見せる。
 対照的に、ジョセフの顔は蒼白でその輪郭が戦慄(わなな)いた。
「お、お主、自分が何を言っておるのか解っているのか?
アノ男は、 『DIO』 は、そのような生易しい者ではないッ!
お主のその感情すらも! 利用されておるだけというのが解らんのかッ!」
 敵対する、互いの命を奪い合う凄惨なだけの関係、
それでもジョセフは我が事のように身を震わせ徒に叫んだ。
「フッ、勘違いをするな、人間。
統世王殿に恩義は感じているが、同氏の軍門に降った覚えはない。
私が忠誠を誓うのは、偉大なる “アノ方” のみ!
死して尚! その決意に一点の曇りなしッ!」
 心臓を鷲掴みにされるような凄味と共に、
背から立ち上っていた波紋傷の煙が一斉に吹き飛び
代わりに鈍色(にびいろ)の火の粉が、否、炎が凄まじい勢いで噴き出した。
「我が望みは! “アノ方” の完全なる 『復活!!』
その為ならば!! 四肢を轢き断たれようと永劫の煉灼に焼かれようと何するものぞ!!
我が真名()は紅世の王!! “九 垓 天 秤(きゅうがいてんびん)”が “両翼” の左!
甲 鉄 竜(こうてつりゅう)” イルヤンカ!!
と む ら い の 鐘(トーテン・グロッケ)】 首領
(ひつぎ)織手(おりて)” アシズ様の為に全霊を尽くすッッ!!」
 正に火を吐くが如き威容で告げられた王の、
悲痛とも云えるその 『覚悟』 をジョセフは厳粛に受け止める。 
 こんなにも気高き者と、憎み合って
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