第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#16
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE[ 〜Ancient Dragon〜
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に、右腕の裡から深紫色の荊が多数出現し
ソレが意志を持ったように差し迫る男の巨躯を雁 字 搦めにする。
「コレが……貴殿の技か?」
「 “技術” というよりは、 『能力』 じゃの。
そのように全身を荊で縛られては動けまい。
降参するなら今の内じゃぞ」
ニヤリと狡猾な笑いを浮かべるジョセフに向け、
「他愛も無し」
男は苦もなく体幹の脈動のみで全身の拘束を引き千切り、
舞い散るスタンドの断片を背景にジョセフへと迫った。
「!?」
「!?」
近距離で交錯する両者の瞳が、相手の動揺を映したのは数瞬のズレ。
しかし一方は仮初めでもう一方は純正、
その後偽りの仮面が剥がれ落ちジョセフは狡猾な笑みを深くする。
ドツ……ッ!
男の背から、忘れ得ない艱苦を伴って無数の刺突音が鳴った。
同時に全身の力が抜け、射出寸前の打拳はゆるりと垂れ下がった。
「な、に……!」
首だけで振り向いた広い背に、
夥しい数の “棘” が突き刺さっていた。
そしてソレは本来の色彩とはまた別の、
神秘的とも云える 『光』 を宿して輝いている。
「お主の持つ凄まじいパワー、
ワシの “ハーミット” で止められるモノでないコトは解っておったよ。
しかしスタンドを引き千切った所で勝ったと想ったのは早計じゃったな。
『遠隔操作型スタンド』 は、訓練すればバラバラになっても操作出来る。
故にワシは荊の “棘だけ” を飛ばしたんじゃ。
馬鹿正直に真正面から撃っても、お主には当たらンじゃろうからの」
「私が、荊を引き千切る事を想定して策を打っていたのか……
同時に、己が大した遣い手ではないと想わせ警戒を薄れさせた。
フレイムヘイズでもない人間がやるものよ。
あの “万条の仕手” ですら、こうも容易く篭絡が出来るか否か……」
「何!? お主、ヴィルヘルミナを知っておるのか!?」
「フッ、故旧の因縁とでも、むっ!? ぐぅ!
おおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
―――――――――――――!!!!!!!!!!!!!」
それまでの戦いの中でも穏健な雰囲気を崩さなかった男が、
突如聞く者の裡を掻き毟るような苦悶の絶叫をあげた。
背中に突き立った荊の棘、ソレに宿った神秘の光が頑強な男の躯を融かし
水が蒸発するような音を立てて肉が散滅していく。
「こ、この 「現象」 は!?
確かにスタンドに 『波紋』 を込めておいたが
幾ら紅世の徒でもこうはならん!
お主、まさか、まさか……ッ!?」
100年の時の流れ。
己の親友が、祖先が、たくさんの人達が、
断ち切りたかった、終わらせたかった 『石仮面』 の悪夢。
その存在を、 【元凶】 をも皆の力で滅
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