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嫌われの忌み子あれば拾われる鬼子あり
第1章 第7話 メリーさん
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、軌道を逸らしてなんとかかわすも脇を数mm程度切られ服が切れその中で少しだけ血が流れる感覚がある。

「あら、上手くかわすものね」

「お前は…」

「ずっと言ってたでしょ?私メリーさん、今君の目の前にいる『ハイプリエステス』を受けた『タロットの騎士』よ」

「くっ…エリオールグラヴィティション!」

エントランスが丸々包み込むような透明な球体で纏われる。

「…これは?」

「僕だけの異空間だ。僕だけで…君を殺す」

「そう…エイサルネビア」

聞き覚えのない詠唱を聞いたルイスはその瞬間に違和感を覚えた。足に人形がまとわりつき足を動かすことが出来ない。

「君の意気込み…叶いそうにないよ」

そう呟いた少女は持っていたナイフを捨てルイスへと近づく。動こうと藻掻くルイスだが足を磔にされたように動かない。少女が目の前に来た時ルイスは少女を、メリーを退かすように振り払おうと腕を振り肩に触れようとした瞬間、すり抜けた。

「なっ?!!」

そのままメリーはルイスの体を通りすり抜けた。

「だって、私もう死んでるんだもん」
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