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嫌われの忌み子あれば拾われる鬼子あり
第1章 第7話 メリーさん
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へと行くね」

その言葉を聞き硬直した。朝と同じ声がまたした。脳へと直接聞こえた声と同時に頭痛がした。

「っ!?」

頭痛に表情が歪み、顔を俯かせた。その瞬間足元に人形があることに気づいた。今までと同じ水色の髪の人形だ。

「ま、また…!?」

ルイスは即その人形を飛ばした。明らかに怯えがある。

「今夜…」

小さくルイスが呟いた言葉、前回とは違う部分、今度から今夜へと変わっている。襲撃予告が明確となりルイス緊張は増していた。

そんな中でも無情に時間は過ぎて行った。昼食が終わり庭へと向かう時、誰もいないエントランスでまたあの声だ。

「私メリーさん、今から君の元へ行くね」

「また…か…」

言葉はただそれだけ、それだけしか告げられないが着々とその時が近づいてくる。
そして人形はまた足元にいる。

「…うざい、壊す。エルメイア」

レイへと人格が変わり、詠唱すると氷の剣が現れその剣で人形を真っ二つに切る。人形は何があるわけでもなくそのままの状態だった。1つずつに別れた水色の眼がいつまでもレイを見つめているような感覚がある事以外は…
それに不快感を抱いたレイは紅の魔法で人形を跡形もなく燃やした後、レイの人格は戻っていく。

「…燃やしてたけど、効果はあるのだろうか…」

という疑問を漏らしながら仕事に取り組みに行った。

そして問題の夜だ。ルイスが最後の仕事見廻りを果たしている最中、いや、陽が沈み外が暗くなった時から警戒は始まっていた。
3階から始まり2階、1階と廻っている時昼間に姿を現したエントランスにて少しだけ距離があるが人形がいた。月明かりに照らされ水色の髪が少しだけ白く見える。

来た、と身構えその場に留まり辺りを見廻すが、声は一向に聞こえない。人形へと向かおうと一歩踏み出した所で突然頭の中に流れる。

「私メリーさん、今麓の村にいるね」

「っ?!」

もう1歩

「私メリーさん、今村を抜けたよ」

もう1歩

「私メリーさん、今門の前にいるね」

人形に近づけば近づくほど聞こえてくる場所も近づいてくる。止まれば来ないのではという考えもルイスは持った、しかし、その確証も無かった。
…もう1歩

「私メリーさん、今屋敷の前にいるね」

そして1歩を踏み出した瞬間目の前の人形がスっと消え、今度は声が耳から聞こえる

「私メリーさん…」

そして…

「今君の正面にいるね」

人形と瓜二つのルイスの肩あたり程の大きさの水色髪の少女がそこに現れた。その少女の手には刃渡り15cmはあるナイフを持ち、それでルイスに向けて突き刺しにかかる。

「っ!」

ルイスはとっさに後ろに飛びながらそのナイフの刃の横に当てるよう手で払い
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