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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
帰郷-リターンマイカントゥリー-part7/烈風と零
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に、ピグモンは…!?」
「落ち着け、カトレア。ピグモンはどうしたというのだ」
ふと、意識がはっきりしたカトレアが声を上げる。辺りを見渡して、取り乱しかけているカトレアの肩をつかみ、公爵は落ち着くように呼びかける。
すると、エレオノールが眼鏡をかけ直しがら父に説明した。
「実は…あの怪獣の攻撃を受ける際、ピグモンが咄嗟に私たちの盾になったのですわ…」
「なんと…」
動物たちと心を寄せ合うほどの包容力と、自分たちでも驚かされる勘の鋭さを持つカトレアが信頼していたとはいえ、まさかピグモンが自分の身を挺して娘たちを守ってくれていたという事実に、公爵は驚きを見せる。よく見ると、娘たちはすっかり土まみれになっていたが、二人とも大きな外傷が見られなかった。
「詠唱する間もなく攻撃を受けました。もし、ピグモンが私たちをかばっていなかったら…おそらく…」
死んでいた、とは続けなかった。それ以上言わずとも、どうなっていたかなんて誰もが想像できた。
そのピグモンは、カトレアたちの傍らに転がっていた。しかも、目を閉ざしたままピクリとも動く気配がない。
「ムサシさん!ピグモンは…!?」
カトレアはすぐに、ムサシに容体を尋ねる。ピグモンに触れてその容体を確認したムサシ。
耳を澄ませると…聞こえてきた。心臓の鼓動が!
「…大丈夫です。ピグモンは生きてます!」
あの時のレッドキングの攻撃を受けてなお、ピグモンはなんとか生き延びていたのだ。
「よかった…」
自分と姉のために、身を犠牲にしてまで…カトレアはピグモンを抱きしめ、泣き崩れた。
「………」
その涙は周囲にも伝染した。怪獣といっても、人間と大きさがほとんど変わらない小さな生き物が、あのような大きな体の怪獣の攻撃を恐れることなくカトレアとエレオノールを守り抜いた、ピグモンの勇敢な姿勢に感動させられた。
ハルナもまだあって間もないが、人に対して友好的に接してきてくれた数少ない心優しい怪獣が、非道な侵略者に従う怪獣の手で殺されてしまうなどあるべきではないのだ。
「…ピグモン…」
公爵はカトレアに抱きしめられているピグモンの傍で身をかがめ、その手を握った。
「なんと勇敢な者だ。しかも娘を救ってくれるなど…恩をいくら返せばよいのか悩まされる。後で褒美をやらねば、その前に…誰か、こやつを介抱してやるのだ!」
すぐに公爵がピグモンを治療するように言い渡し、医術に心得のある召使たちがすぐにピグモンの治療に入った。
(よかった…)
ムサシは、胸を押さえつけていた。かつて助けたいと思っていた怪獣、エリガルの時のような状況に出くわさずに済み、安堵した。
だが、安心するにはまだまだ早かった。

同じ頃、ゼロとレッドキングの戦いがまだ続いていたのだ。
「サイト君、ゼロ…」
ムサシは、対峙し合うレッドキ
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