帰郷-リターンマイカントゥリー-part7/烈風と零
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ようだが、息はある。
「誰か、ルイズを!」
「はい!」
近くにいるメイドの一人にルイズを託し、公爵は再びウルトラマンゼロに視線を傾ける。
「皆の者、我が妻とウルトラマンが怪獣を食い止めている!今のうちにこの邪魔な瓦礫をすべて撤去しカトレアとエレオノールを見つけ出せ!」
「「「はい!!」」」
公爵の力強い呼びかけに、召使たちは強く返事を返した。
ムサシは同じウルトラマンとして、サイト=ゼロたちの無事を祈った。
(サイト君、カリーヌさん、気を付けて…)
レッドキングの体にしがみつくことで落下を免れたセミ人間だが、自分がやったことが結果的に水の泡となってしまったことに歯噛みする。
「ぐぬぬ…まさか、あんなちっぽけな羽虫とロータル魔法使いごときに…!」
ウルトラマンでさえも驚かせた虚無の魔法の使い手。それを捕まえるために公爵が新たな婚約者として目にかけていたフレデリックに成り代わっていたというのに、結局取り返されてしまうとは。しかも、最も危険視していたウルトラマンゼロの出現を許してしまった。
虚無を除く、四代系統の魔法を文明遅れの種族の技と侮ったのが仇になったか。
「こうなっては実力行使よ…レッドキング!ウルトラマンゼロとそのロータル魔法使いを殺せ!!」
セミ人間はレッドキングの体を滑るように伝いながら地上に降りると、レッドキングに二人の抹殺命令を下した。
「ジュア!」
自分に迫ろうとするレッドキングに、ゼロは飛び掛かって手刀を叩き落とす。次に膝蹴りを加えてからレッドキングの首を右脇の下に挟み、取り押さえると、頭上にレッドキングを持ち上げて屋敷から遠くの位置へ放り投げた。
投げ飛ばされ、草の上を転がるレッドキングに、ゼロは身構えながら接近を図る。すると、地上から一発の閃光がゼロの顔に向かって放たれる。
「!?」
頬を掠った今の閃光は、セミ人間が地上からレーザーガンで放ったものだった。
「隙を見せなた。レッドキング!」
「ギャアオオオオ!!」
レッドキングは主が作った隙を見逃さず、口から無数の岩の礫をゼロに向かって吐き飛ばした。飛んできた岩はゼロの体中にぶつけられ、ゼロは思わず顔を中心に自らの身を包む。さらに隙が大きくなったところで、レッドキングはゼロに体当たりして彼を突き飛ばした。
「グワァ!!」
ヴァリエールの敷地内の芝生の上に倒れたゼロを、レッドキングは背後から首を締め上げながら無理やり起こした。
「グ、ウゥ…デア!!」
とんでもない馬鹿力で首を締め上げられては、さすがのウルトラマンでもキツい。ゼロはたまらずひじ打ちを自分の後ろから首を絞めてくるレッドキングの腹に叩き込む。しかしそれでもレッドキングは怯まない。ならばと、頭のゼロスラッガーを念力で飛ばし、レッドキングの両腕を切りつける。
「ギャアアアオ
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