1章旧校舎のディアボロス
7話赤い龍の目覚め
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『side:兵藤一誠』
「待ってろ!もうすぐアーシアは自由なんだ!俺といつでも遊べるようになれるんだぞ!」
階段を上りきり、俺はアーシアを抱えたまま、聖堂へと出て、近くの長椅子に彼女を横にし声をかける
アーシアはその言葉に小さく微笑み。俺の手を取った。その手からは生気も感じられずだんだんと冷たくなっていた
「イッセー、さん・・・私、少しの間だけでも・・・友達ができて・・・幸せでした」
「な、何言って・・・」
「・・・もし、生まれ変わったら、また友達になってくれますか・・・?」
「何言ってんだよ!そんなこと言うなよ!これから楽しい所に連れて行くぞ!アーシアが嫌だって言っても連れてってやるさ!カラオケだろ!ゲーセンも!そうだ、ボウリングも行こうぜ!他にもそうだ、 、アレだよ、あれ!ほら!」
涙が止まらなかった
笑いながら話しかけているはずな何俺は涙が止まらなかった
俺はわかってしまった。
この子はもうすぐ死んでしまう。
だけど、それでも否定したかった。
そんなこと、嘘に決まっているーーーと。
「俺ら、ダチだろ!ずっとダチだ!ああ、そうさ!松田や元浜にも紹介するよ!あいつら、ちょっとスケべだけどさ!スッケェいい奴らなんだぜ?絶対にアーシアの友達になってくれる!絶対だぜ!みんなでワイワイ騒ぐんだ!バカみたいにさ!」
こんなところで死んじゃダメなんだ!!
辛い過去を抱えているアーシアにこれからはそれを忘れるぐらいにいろんな楽しい思い出を作ろうって決めたのに!!
なのに、なんで・・・っ!!
「・・・きっと、この国で生まれて・・・イッセーさんと同じ学校に行けたら・・・どんなにいいか・・・」
アーシアの手が俺の頬を撫でる
「行こうぜ!いや、行くんだよ!俺たちの学校にこいよ!」
「・・・私のために泣いてくれる・・・もう、何も・・・ありがとう・・」
ーーーアーシアの手が俺の頬から離れて、ユックリと落ちていった
それが彼女の最後の言葉だった
微笑んだまま、逝った。
なんでだ?なんで、この子が死なないといけない?
だって、こんなにもいい子なのにさ、傷ついた相手ならたとえ悪魔でも治してくれる優しい子なのに
なんで、もっと前から俺がこの子の近くにいなかった?
「なあ神様!神様、いるんだろう!?悪魔や天使がいるんだ、神様だっているんだよな!?見てるんだろう!?これを見ていたんだろう!?」
俺は教会の天井に向かって叫ぶ
誰が答えるかなんて知らない。それでも叫びたかった
「この子を連れて行かないでくれよ!頼む!頼みます!この子は何もしてないんだ!ただ、友達が欲しかっただけなんなよ!俺が悪魔にな
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