深い世界に集うものたち
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
制する薬ですね」
明「前にもコレと似たようなものがあった。これもオタクに効いていたがなぜだ?」
萩音「そうですね……未来では感情的になることは無能の烙印を押されます。だからこの薬で感情を落として精神を保ちます」
明「物欲や性欲を減らすということか」
萩音「そもそもセックスすることも、オタク趣味があることも未来ではデメリットしかありませんから」
未来の事情は本郷には分からない。だがそこはオタクには住みにくいディストピアであると感じていた。
明「そんな世界、クソ異常だな」
萩音「ですから、わたしのような組織が動いているのです」
明「どういうことだ?」
萩音「必ずしも物欲や自然の恋愛を否定するものたちばかりではないんです。すいません」
明「アンチディストピアか」
萩音「そうなりますね」
ユーフェミア「難しいこといいよるけど、結局相手は誰なん?」
萩音「オタク、それも深いところにいた者たちです」
明「敵は、身内か……」
ユーフェミア「秋葉原はオタクの街やん! なんでそんなことするん?」
萩音「すでにオタクの街というのは過去の話で、アングラなんてものはないんです。すいません」
クリエイティブの敷居の低下、加藤の乱、オタクの一般化で秋葉原も二次元業界も大きく変化している。
明「俺はオタクでやっていけてるが?」
萩音「秋葉原のディープなオタクレベルは下がってきてますが、なくなったわけではないので」
明「聖地であることは変わらないということか」
萩音「数の理論です。少数のディープなオタクたちによってこの秋葉原が形成されたように、ライトなオタクがたくさん集まり同等の世界になったんです」
ユーフェミア「それなら別にテロみたいなことしなくてもええやんか」
明「そうか……追いやられたのか」
萩音「そう、そして彼らはコレを皮切りに日本を、世界を変えていきます」
オタクの楽園、秋葉原。
それは、ディープなオタクたちにとっての理想世界。
奪われたものは大きい。
明「ディープなものほど、スペックは高いからな」
萩音「ですね。本郷さんが戦ったものは単なる戦闘員です。リーダーは別にいます」
明「面白くなってきたじゃないか!」
大きな笑い声を上げ、本郷は満面の笑みだ。
明「オタクとしてこの戦いは参加したい。ディープな奴らはすべて俺が倒す」
アンチ大好き本郷くんであった。
ユーフェミア「明……」
明「なんだ?」
ユーフェミア「明はディープなオタクじゃないん?」
本郷は困った表情をした。
彼はオタク。それも深い世界にいるオタク。
ゆえに彼の考えはライトから秋葉原を取り戻そうとする彼らに共感する部分もある。
明「秋葉原は変化の街。そうオタクも変化していっている」
ユーフェミア「……」
明「混沌とした秋葉原ではないが
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ