454部分:第六十三話 遺跡での死闘その六
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第六十三話 遺跡での死闘その六
「このミロは敵であろうとも人をいたぶる趣味はない」
「それではだ」
「何だというのだ?その十五の攻撃は」
「何の意味があるというの?」
「その攻撃を繰り出す間に問おう」
ミロは五人に対して告げてきた。
「降伏するのか」
「降伏だと?」
「何を言うの?」
「我等狂闘士に対して」
「十五の攻撃を放つそれまでの間にどうするか決めさせてやる」
ミロの言葉は続く。
「降伏か死か。どちらだ」
「戯言を」
「何を言うのか」
言っているその間にだった。ミロはまた撃って来た。
「うぐっ!」
「ぐっ!」
「さあ、どうするのだ」
激痛に必死に耐える彼等にさらに問うてみせた。
「降伏か。それとも死か」
「馬鹿にするなと言っているのだ」
「その通りです」
五人の狂闘士達はその攻撃を受けてもまだだった。何とか耐えていた。
「我等に降伏はない」
「何があろうとも」
「十五撃つ間に激痛が襲い続ける」
ミロの言葉は続く。
「それでもか」
「それだが何だというのですか?」
「我等は狂闘士」
またこのことを言う彼等だった。激痛に苦しみ抜きながらも。
「降伏なぞ有り得ないこと」
「下がることも」
「それではだ」
ミロはそうした彼等の言葉を聞いてまた問うた。
「このまま激痛を味わい続けるというのだな」
「どれだけの痛みを受けようともだ」
「我等は我等」
こう返すのみだった。
「何をされようと下ることはない」
「決してだ」
「そうか」
ミロは彼等の考えを聞いた。そうしてであった。
「それではだ」
「さあ、撃ち込んでいくがいい」
「喜んで受けましょう」
痛みに堪えながらの言葉であった。それはミロにもよくわかる。
「その痛みの中で」
「アーレス様への永遠の忠誠を見せよう」
「それには及ばん」
忠誠という言葉へのミロの言葉だった。
「それにはだ」
「何っ!?」
「どういうこと、それは」
「我等の忠誠を疑うというのか」
「そうではない」
忠誠を疑っているのかというとそれは明らかに否定したミロだった。発するその言葉にも侮蔑といったものは一切見られなかった。
「御前達のアーレスへの忠誠はわかった」
「わかったというのか」
「ならば早く撃て」
「その残りを」
「確かにこのスカーレットニードルは十五の星からなる」
またこのことを告げるミロだった。
「しかしだ」
「しかし?」
「黄金聖闘士の拳は光速だ」
最早言うまでもないことであった。
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