453部分:第六十三話 遺跡での死闘その五
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第六十三話 遺跡での死闘その五
「貴様のその音をだ」
「いいでしょう。ラストレクイエム!」
その音が奏でられた。それはまさに白い死だった。まるで彼女が持っているそのバイオリンから無数の髑髏が放たれるかの様であった。
「さあ、スコーピオンよ」
「我等のこの攻撃」
「どの様にして防ぐ」
技を放ったうえでミロに対して問うのだった。
「これだけの攻撃を」
「如何にして」
「それは既に行っている」
ミロは身動き一つせずに彼等に言葉を返したのだった。
「既にだ」
「既に!?」
「何を言うのだ」
「戯言か」
彼等はミロの今の言葉をそう受け取ったのだった。
「我等の技を前にして」
「身動き一つせずに言うなぞ」
「狂った?それとも諦めたというの?」
「狂ったのでも諦めたのでもない」
そのどちらでもないというのだった。
「そう、既に御前達の技は見切った」
「何っ!?」
「既にだというの!?」
「そうだ。そしてだ」
身動き一つしないままさらに言うミロだった。
「このミロの攻撃はだ」
「何だ!?」
「それは一体」
「既に放っている」
こう言うのだった。
「そう、既にだ」
「うっ!?」
「何っ!?」
その時だった。五人の身体に激痛が走った。それは。
「うぐっ、これは・・・・・・」
「一体何だというの?」
「激痛が」
その激痛によって身動きが取れなくなってしまっていた。それにより放とうとしていた技も止まった。ミロはこうして身動き一つすることなく攻撃をかわしてしまったのだ。
「何だというのだ、急に」
「この激痛は」
「まるで刺されたかの様だ」
まさにそれだったのだ。その激痛は。
その激痛により動きを止めているとだった。まただった。
彼等の全身に再び激痛が走った。それにより地に落ち倒れ込んでしまった。五人は完全に動けなくなってしまったのであった。
「何だというのだ、これは」
「これ程の痛みは」
「蠍の毒の如き・・・・・・」
「そうだ、蠍だ」
まさにそれだと言うミロだった。
「このミロの司る星座は蠍だ」
「蠍!?」
「それでは」
「そうだ、蠍だ」
ミロは言葉を続ける。
「その蠍座は十五の星よりなる」
「十五の星だと」
「この痛みとどう関係があるというの?」
「この技の名前はスカーレットニードルという」
今度は業の名前を話した。
「スカーレットニードル?」
「その技は一体」
「このミロは十五の星の分だけ放つことができる」
そうだというのである。
「一つ撃つその度に激痛を与える」
「それがこの攻撃だというのか」
「この激痛の」
「その通りだ。ではわかったな」
あらためて言うミロだった。
「これでだ。この攻撃はだ」
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