278
[8]前話 [2]次話
密やかに
想いそぼ降る
秋の夜の
月影落つる
風もなきにし
静かな夜更け…耳を澄ませば、遠くから微かに車の走る音がするだけ…。
そんな静けさの中に一人でいると…まるで雨が降るかのように、彼への想いが募ってくる…。
遠く…また遠く…。彼はここにはいない…。
窓の外には月明かり…世界を蒼白い光で満たしていた…。
風はなく…草木の掠る音さえしない静かな夜更け…。
泣くことさえ…儘ならない…。
野も枯れて
冬を待ちにし
侘しさに
君に逢いたき
心叱りし
見渡せば野の草も枯れて、辺りは冬支度を整え始めている…。
長く寒い冬…凍てつく寒さが心までをも多い尽くす季節…。
また…堪え忍ばねばならないのか…。彼のいない冬…。
会いたい…そう思う権利すら私にはないのだ…。
だが、心は会いたいと願い続け…私を遠くへと誘う…。
そんな心を…私は叱りつけ、己の愚かさに溜め息を吐くのだ…。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ