暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
試される運と実力
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水技のコンボを決めた。

「焦るなよ嬢ちゃん。勝負はまだ始まったばかりだぜ?」

それだけの攻撃を受けてなおゴコウの声に焦りはなく、そして。

「ルナトーンが……倒れてない?」
「おうよ、俺の芒に月は防御と特防を徹底的に鍛えててな。それに――嬢ちゃんが攻撃している間に、こっちはコスモパワーでさらに守りを固めていたのよ」

巨大な水の塊をぶつけられてなお、ルナトーンは表情を変えず浮かんでいた。弱点を突いても倒せない事実にジェムの中に焦りが募る。

「……だったら倒れるまで攻撃するまでよ!ルリ、連続でアクアジェット!」
「更にコスモパワーだ!」

マリルリが尾の噴射を利用して俊敏に動き、縦横無尽に殴りつける。だが神秘のパワーで守りを固めるルナトーンには大きなダメージにはならず、むしろ岩を殴るマリルリの手が痛んでいく。その様子をゴコウは瓢箪から盃に酒を注ぎそれを飲みながら見ていた。

「さあ、そろそろ本番といくか」
「……!ルリ、一旦下がって!」

盃から口を離したゴコウが口の端を吊り上げる。警戒したジェムは一旦ルナトーンから距離を取らせた。ゴコウが掌を合わせてパン!と小気味よい音をたてる。

「勝負と人生は時の運。運は味方することもあれば敵になる時もあり。その時々の運をいかに楽しみ、活かすかが勝負と人生を楽しむコツさ」
「……そんなことないと思うわ。人生のことはわからないけど、勝負は実力で決まるものよ」
「ははは、若え嬢ちゃんにはまだわかんねえかもな。だが嬢ちゃんの親父さんがチャンピオンになれたのだって、いろんな幸運に恵まれたおかげだと俺は思うがね。……いくぜ芒に月、サイコウェーブだ!!」
「ルリ、アクアリング!」

ルナトーンの体の周りが強力な念力で歪む。そこから放たれた念動力の『波』がマリルリを襲った。ジェムは無理に避けさせようとはせず、確実に回復させる戦術を取る。あれだけの防御力を持ちながら攻撃まで強力だとはさすがに考えづらかった。

「ルッ……!」
「ルリ!?」

だが、ルナトーンの一撃は予想を裏切りマリルリの体を壁際まで吹き飛ばす。回復が追い付かないほどのダメージを受けたことに驚きを隠せない。

「サイコウェーブはな。ルナトーンの攻撃力や嬢ちゃんのポケモンの防御力に関係ねえダメージを与えるのよ」
「ということは……ナイトヘッドと同じ固定ダメージを与える技?」
「半分正解だ。だがこの技のダメージは固定じゃなく『運』で決まる。今のはマックスパワーの9割ってところだな。さあ……次はどうなるかな。もう一発だ!」
「アクアジェットで逃げて、ルリ!」
「悪いが読めてるぜ!」

水の噴射で回避しようとするマリルリの動きを技『未来予知』で知っていたル
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