暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン59 蹂躙王と暴食の憑依
[7/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
るときの絶望の顔が今から楽しみだよ。カードを2枚セットし、ターンエンドだ。ここでキメラフレシアの一時的なドーピング効果が切れる」

 捕食植物キメラフレシア 攻3500→2500

 清明 LP600 手札:3
モンスター:なし
魔法・罠:1(伏せ)
 ダーク・バルター LP4000 手札:1
モンスター:捕食植物キメラフレシア(攻)
魔法・罠:1(伏せ)

「僕の、ターン……ドローっ!」
「スタンバイフェイズに永続トラップ、聖なる輝きを発動させてもらおう。これでこのカードが存在する限り場の全てのモンスターは表側表示となり、互いにモンスターをセット状態で場に出すことができなった。どうしてもモンスターを守備表示にしたければ表側守備表示で出せばいいが……キメラフレシアの効果からモンスターをセットして逃れようなどという甘い考えは捨てることだな」

 ある程度手の内もわかっている相手だという勝算があったから、このデュエルを受けた時にはそこまで悲観的ではなかったけど……強い。予想外に強い。なんとか立ち上がりこそしたものの、モンスターのセットまで封じられより一層絶望的な状況に追い詰められただけだった。
 その時だった。突然一陣の風が吹き、ダーク・バルターのローブと僕の学生服が揺れた。それ自体は、本当にただの風だったのかもしれない。だがその風圧に揺れた学生服の胸ポケットからたまたま何かが飛び出してきて、深く考えないまま反射的に僕はそれを掴んだ。

「これは……」

 そうだ、デッキがこの世界に来る際に行方不明になったショックですっかり忘れてたけど、このカードは胸ポケットに入れてあったから無事だったんだ。
 これは、かつて邪神アバターと戦った際にデュエルモンスターズの創始者、ペガサスさんから受け取った白紙のエラーカード。ペガサスさんはあの時、この2枚のカードには自分でもわからない力が秘められていると言っていた。もしこのカードの力が使えれば、あるいはこのキメラフレシアの牙城を打ち砕くことができるのだろうか。
 ……いや、今更すべては遅すぎる。もうデュエルは始まっているのに、新しいカードをデッキ外から付け足すなんてできるわけがない。しかもそのカードにしても、ひたすら白紙でただのエラーカードにしか見えない代物なのだ。後悔してもどうにもならないこのカードよりも、今引いたばかりのカードは……。

「速攻魔法、リロードを発動……自分の手札全てをデッキに戻して……」

 最後の最後の小さな希望、リロード。今の手札だけではキメラフレシアを倒すことはできないので、これはありがたい。全てをデッキに戻し、改めて仕切り直そうとデッキトップに手をかけた時、その手の上からもう1本別人の腕が重なるのが見えた。

「!?」
『まあ待ちなよ大将、こいつ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ