ターン59 蹂躙王と暴食の憑依
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けあう。だけど僕にはそれを止められない悔しさに歯噛みしつつ、ただ見ていることしかできない。
「融合召喚。現れよ、捕食植物―――――キメラフレシア!」
大地が割れ、新たな捕食植物が先端がパックリ割れて牙のついた蔦を腕代わりにその裂け目から這い出してくる。体色こそ他の捕食植物と同様に一見地味なようだが、これまでのパターンと大きく違うのはその先端に咲いた一輪の花だ。せっかく体が保護色を纏ってもこのどぎついピンク色と白のまだら模様、そして何より花弁から漂う悪臭のせいでその姿を見過ごすことは難しいだろう。その花は頭のような役割も果たしているらしく、蜜だか涎だかわからない液体をべっとりと垂らしながら巨大花が真っ直ぐにこちらを向いた。
捕食植物キメラフレシア 攻2500
王立魔法図書館(1)→(2)
「驚いたかね?キメラフレシアこそ、私がこのご老体に憑依して得た魔力を浴びて進化した捕食植物の集大成。光栄に思うがいい、君がこのカードを実戦で見た最初の人間だ。では、前説はこの程度でいいだろう。キメラフレシアの第一の効果を発動。このカードは1ターンに1度、自分以下のレベルを持つモンスターを除外することができる!貪欲な狩人よ、そこの図書館を捕食するがいい!」
キメラフレシアがそれ自体人間の胴よりもはるかに太いサイズの蔦を伸ばし、本棚をいっぺんに丸呑みする。バリバリと強靭な歯が木製の棚を噛み砕く音が辺りに響き、それが数回続いたのちに蔦の先端が何かを飲み込むように動く。再び先端が開いた時、そこには木のかけらしか残っていなかった。
「くっ……」
「次にバトルだ。キメラフレシアで終末の騎士に攻撃……と、この時、キメラフレシアのさらなる効果発動。このカードはバトルを行う際、地中に根を張り一時的に養分を摂取し攻撃力を1000ポイントアップさせると同時に毒性を持つ花粉を花弁から放出し、鋼鉄すら腐食させるそれが相手モンスターの攻撃力を1000ポイントダウンさせる。受けてみるがいい、紫炎の棘」
その言葉通りに、キメラフレシアが地中に蔦の一部を伸ばして大地の養分を吸い取る。みるみるうちにパンプアップされ強靭になった蔦がしなり、その花の中心から吹きつけられた花粉を受け膝をついた終末の騎士を頭から一飲みにする。
捕食植物キメラフレシア 攻2500→3500→終末の騎士 攻1400→400(破壊)
清明 LP3700→600
「う……あっ……!」
3000ポイントオーバーのダメージが直撃し、脳まで揺さぶられるような衝撃をまともに受ける。吹っ飛んだはずみで倒れるも、よろめきながらなんとか起き上がる。
「それでいい、その最後のターンまで続けるといい、その抵抗を。君が最後のカードを引いた時、私の前に屈す
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