第38話『イベント』
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の店、この時計は扱ってないですよね?」
「う……」
痛いところを突かれた、というようにラグナは表情を歪ませる。
そしてもう言い逃れをできないと悟ったらしく、大人しく口を開いた。
「…何でわかった?」
「だってラグナさん、すごく顔に出てましたよ。見当くらいつきます」
「…正直なところ修理はできねぇってのが答えだが、客の頼みとありゃ、是が非でもやらなきゃいけねぇのが職人よ。──ってことで、手伝ってくれねぇか? 2人とも」
「もちろんです」
ラグナが諦めたように応援を頼む。晴登はそれに快く応じた。
ただ、次に後ろで頭を抱えているユヅキをどうにかしなければいけない。
「ユヅキ。そういうことだけど、どうする?」
「う、うん…。でも、ラグナさんが直せない時計が有るなんて・・・」
「はっはっは。こりゃ随分と過大評価されちまったな。俺はただのしがない時計屋、直せない時計の1つや2つくらいあるに決まってんだろ?」
先程まで何の理解も持ってなかったため、事態の急展開にユヅキは頭が追いついていないようだった。
少しの間、「あ…」だとか「えっと…」とか口から洩らしながら、困ったように悩んでいる。
しかし最後の「よし」をキッカケに、彼女は真面目な表情になった。
「わかったよラグナさん。ボクもやる!」
その言葉に、晴登もラグナも笑みを浮かべる。
こうして異世界初のイベント、『仲間と協力し、時計を直せ!』が始まったのだった。
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