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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第38話『イベント』
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が立っており、またもビビる。


「うわぉユヅキ…お、おはよう…」


差し障りのない挨拶で、まずは気まずい雰囲気に入るのを阻止。
すると彼女は目を擦りながら、


「あ、うん、おはよ……ふぁぁ」


最後に可愛らしい欠伸を残して、弱々しい挨拶を返す。普段の半分も開いていない目は、まだ眠いという気持ちを隠しきれていない。

そして彼女は目一杯に伸びをした後、


「んんー!・・・おはよ、ハルト!」

「え、何で2回!?」


今度は元気に2度目の挨拶をするユヅキに、堪らずツッコみ。
ユヅキはその反応が予想通りだったらしく、ニッコリと笑った。

気にすることはない。

晴登は心の中でそう思った。
自然と表情には安堵が洩れ、彼女もまた笑顔を溢している。
心配なんて杞憂だった。

こうしてユヅキが、笑ってくれるのだから。


「あれ、ハルト。もしかして、朝ごはん作ってくれようとしてたり?」

「え、あぁ…うん」


ユヅキが状況を見て判断したのか、訝しげに訊いてきたのを、一応肯定で返す。決して悪いことではないのだから、隠す必要はないだろう。

だが、あくまで“一応”。作り出すまでは、もう少し時間を要しただろう。
ユヅキは、晴登のそんな気持ちを知ってか否か、


「じゃあ一緒に作ろ! いいよね?」


まさに妥協案といった提案が出される。
もちろん、その提案は願ったり叶ったりだ。断る理由はない。


「うん、いいよ」


晴登は快く、提案を承諾した。







「ハルトって、料理が上手なんだね」

「ユヅキも上手だと思うよ?」

「いやいや、ハルトの方こそ」


朝食を食べ終わり、2人で食器を洗い終わると、突然謎の褒めちぎり合いが起こる。褒められるのは慣れてないから、とても照れくさい。


「そうだ、この後はラグナさんの時計屋に?」

「まだ早いけど・・・そうだね。もう行っちゃおうか!」

「あ、いや、早いなら別に──」


遠慮しようとした瞬間、手を引かれて身体が急に前のめりになる……って、またこのパターンか。この姿勢って何かと疲れるんだよなぁ〜。






家を出て、道を駆け、森を抜けると、関所に着いた。


「…すっごい端折ったな!」

「何言ってんの…? それより早く早く!」

「あ、うん」


関所を抜けると、目の前に広がるのは昨日の光景。
大通りは人々でごった返し、相変わらず歩くのが困難そうだった。


「こんな朝から人がいるんだ…」


驚きの意味を込めて一言。
時計がないから正確な時間はわからないが、まだ感覚的には朝っぱらだと思う。
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