暁 〜小説投稿サイト〜
グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第70話:人を褒めるときは大きな声で。悪口を言うときには、より大きな声で!
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

ラウルが困惑するのも無理は無い。
リュカ様にウルフ閣下の不敬を密告すれば、今後直属の上司たるウルフ閣下に睨まれる。
かといってリュカ様が自ら出向かれたのに、何も言わないのであれば、それが不敬罪とされるかもしれない。

ウルフ閣下はリュカ様達から絶大なる信頼を得ている為、普段から無礼な発言も許されている。
だからこそラウルは『言い付ける』と言って戯けて見せたのだろうが、そのこと自体が気に入らないウルフ閣下の怒りを買った。

「あーもーいい! コイツじゃ話が進まないよ。ウルフ……説明しろよ!」
「やれやれ……自分の発言には責任を持ってほしいなぁ」
呼び付けられたのに何も話そうとしないラウルに苛ついたリュカ様は、とうとうウルフ閣下に話す様指示を出す。

「先程ビアンカ様が私の執務室へお見えになりました。理由は“私が陛下を困らせて、それに悩んで夜の相手をしてくれない。だから欲求不満だ!”との事です」
「そ、それはそれは……悪い事したねぇ」

「いえ……私からもキッチリ言っておきました。『年増女の性処理事情なんか知らん!』とか『仕事の邪魔だ』とか『オバサン』等とね」
「僕の美しい妻に向かって、それは酷いなぁ……まぁでも、そう言って打ち負かさないと何時までも居座っちゃうもんね。仕方ないか……」

し、仕方ないで済むんですか!?
今回はビアンカ様が悪いって事で話が進むんですか!?
王家の方に……それも王妃様にあれほどの暴言を吐いて許されちゃうんですか!?

「そうですね……私の抱えてる仕事を考えれば、邪魔をすれば国家運営に支障が出るかもしれませんからね。あれくらいは言わせて戴きます」
……だとしても言い過ぎよアンタ!

「ですが私のスタッフは、私の王妃陛下への暴言を許せない者も居るのです」
「部下が許さないからって僕を呼び付ける理由になるの?」
なりません。部下の管理は上司の仕事です!

「いいえ、私の暴言を許せないと思う者が居る事自体は問題ありません。上司に遠慮せず間違いを正そうとする姿勢は、大変評価が高いです」
「じゃぁ何で呼び出された?」
そうよ、何で呼び出しちゃったのよ!

「私はビアンカ様に悪態を吐いた事に罪悪感は持ってません。なので悪びれる事無く、部下からの『あんな事言って大丈夫なんですか?』という質問にも、問題ないと答えました。しかし納得のいかない部下等は、私に向かって『陛下に言い付ける』と脅しをかけてきたんです」
“部下等”って言わないでよ! その発言をしたのはラウルだけよ!

「部下等の発言を聞いて私はこう考えました……“言い付ける”と宣言するって事は、私は言い付けられたら困ると思われてる。困ると思われてるから、言い付けられない様に部下等に“内緒にして”と懇願する事になるだろう。部
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ