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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第240話 味方
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ない様に。
だけど……。
『レイナ』
「なーに?」
『オレは、レイナの味方だから』
「……っ」
それは、今までの会話の流れからすれば、繋がらないワードだった。
明日の事を基本とした会話構成だった筈だから。
リュウキ本人にすら気付かない程の身体の震え、深層域での不安感をレイナが感じ取り、判ってくれた様に、リュウキにも感じ取れたのだ。例え、電話越しでの声であっても、……本物の声ではなく、スピーカーが再現した音であっても、レイナのものだから。
ALO内でも、少し気になっていたから、尚更伝わったのかもしれない。
でも、安易に踏み込んでいい領域ではないかもしれない。誰にだって、触れられたくない事はあるだろう事も判っている。……教えてくれたから。時には黙って見守ってあげる事も大切だという事を。
だからこそ、リュウキは、そう言ったのだ。無理に聞こうとするのではなく、心の安寧に繋がる様に。……ありふれた言葉ではあるが、決して嘘偽りではない、いつも思っている事を。
『それだけは、忘れないでくれ。……どんな事があっても、いつもレイナの味方だから。……ずっと、傍にいるから』
「っ……」
言葉自体はは短かった。でも、それでも、レイナは身体の芯にまで届いた気がした。外の冷気にも匹敵する程に、心が冷えていたのに、温もりが広がっていくのを感じた。
心に力を、貰う事が出来た。
強く感じたからこそ、リュウキの想いも強く感じたからこそレイナは涙を流し……そして。
「ありがとう。リュウキくん。……大好き、だよ」
『こちらこそ。……大好き、だよ。レイナ』
想いの丈を、リュウキに。……隼人に送り、隼人もそれに応えるのだった。
そんな2人を……、いや 厳密にはレイナだけだけど、その傍に、確かにいるのを見ている者がいた。
「……良かった」
ほっと、肩を撫で下ろす。レイナよりも長い栗色の髪を靡かせながら、涙ながらに電話をし続けるレイナの姿を見て、目元に溜まっていた滴をそっと指先で拭っていた。
〜新生アインクラッド 27層〜
約束をした通り、昼の1時にアスナとレイナ、そしてリュウキは、スリーピングナイツのメンバーと合流した。
レイナは ログインした時に、いや、リュウキとALO内で会ったその瞬間に、人目も憚らず、その胸に飛び込んでしまったのは……言うまでもない事だった。昨夜の事で、レイナは感慨極まった様だから。リュウキ自身も、そんなレイナを落ち着かせる為に、その身体をしっかりと抱きしめたのだ。
公衆の面前で……は、いつものリュウキだったら、いや レイナであったとして
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