【ネジおじさんに向日葵の花を】
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だと思ってるみたいなの。私の事は、"お母さん"と見間違っちゃうし───」
「お、お母さん...?! あいつとそんな仲になるのはまだ早過ぎますヒナタ様ッ」
「な、何を言ってるのネジ兄さんっ。私とナルト君はまだ、全然そんな仲じゃ...っ」
"お母さん"という言葉でネジはすっとんきょうな声を上げてしまい、ヒナタは恥ずかしさのあまり顔を両手で覆い耳を真っ赤にした。
「───っくしゅん!」
ヒマワリは夏の装いだったので、十月半ばの肌寒い空気に思わずくしゃみをする。
「か、風邪を引いてしまっては大変だ、自分の家に早く帰った方がいい。君の家は、どこなんだ? すぐに送って行ってあげたいが……」
「イヤだよ…、向日葵の花、見つけなきゃ。毎年、おじさんにあげてるんだもん...っ」
ネジの胴回りにしがみついたまま、つぶやくように言うヒマワリ。
「...私、いのちゃんの所のお花屋さんに行って向日葵の花がまだあるかどうか聞いてみるから、ネジ兄さんはひとまずヒマワリちゃんを兄さんの家に連れて行って、身体を冷やさないようにしてあげて? じゃあ、先行くね!」
「あ、ヒナタ様...!」
ネジはヒマワリという女の子と二人きりになり、一瞬どうしていいか判らなくなったがすぐに頭を切り替え、ヒマワリに目線を合わせるように身を低め、できるだけ優しく話し掛けた。
「風邪を引かれては困るから、一旦俺の家に連れて行くが……いいか? 向日葵の花の事はヒナタ様...、さっきのお姉さんに任せてみよう」
「うん……」
「よし、じゃあ……俺の背中におぶさってくれ。...髪が邪魔になるから、横に流しておこう」
ネジはそう言って自分の長い後ろの髪を前の方の横に流して背中を向け、しゃがんだ。
ヒマワリは素直にネジの背中におぶさり、ネジは跳躍して素早く自分の家に向かった。
「ん...、とにかく羽織る物を───。俺の物ですまんが、とりあえず使ってくれ。今、温かいお茶を用意するから」
ヒマワリを茶の間に座らせてすぐ羽織る物を持ってきてやり、それからネジは台所でお茶の用意をし、湯のみに注いでヒマワリに差し出した。
「ありがとう、おじさん...」
ネジが淹れてくれたあったかいお茶をすすって、ほっとひと息つくヒマワリ。
「君の、おじさんというのは……そんなに俺と似ているのか?」
「...会ったことはなかったけど、知ってるの。写真で」
「写真……?」
「うん、間違いないよ。だってお母さんと同じキレイな目だし、髪は女の人みたいに長くて白い格好で黒のスカートみたいなのしてるの」
「───いや、すまんがちょっと違う。これはスカートではなくて前掛けのような
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