【ネジおじさんに向日葵の花を】
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て教えてくれたの。ちょうど、二ヶ月くらい前に……一緒に向日葵畑を見に行ったから」
「お母さんのお兄さんって……おじさんでしょ?」
「えっ、おじさ...?! 違うよ、おじさんなんて呼ぶにはまだ早過ぎるよ...!」
「でも、わたしとお兄ちゃんにとっては、おじさんなんだよ」
「う〜ん、な、何だか話が噛み合わないね……。とりあえず、お家がどの辺りか教えてくれるかな。私が送って行ってあげるから」
「だけどわたし、おじさんに向日葵を───」
「ヒナタ様」
男声の呼び掛けに振り向くと、白装束姿で長髪の青年がいつの間にか現れていた。
「あ、ネジ兄さん」
「...供も連れずに一人で出掛けるのは控えて頂きたいのですが」
「あ...、ごめんなさい。でもそんなに遠くない場所だし、誰かの手を煩わすのも───」
「ねぇ、ヒナタ...お姉ちゃん。この人が、お姉ちゃんのお兄ちゃん?」
「………?」
「うん、そうだよ。私のイトコの一つ上のお兄さんだから、ネジ兄さん」
「───ヒナタ様、その子は?」
「えっとね、この子は───」
「おじさん」
「?」
「やっぱり、おじさんだ……写真で見てるから、知ってるもん」
ヒマワリはネジに駆け寄った。
家の写真立ての中のおじさんにはいつも、おはようやただいまなどの挨拶をしていたのだった。
「会いたかったんだよ、ネジおじさんっ...!」
「───・・・!?」
ヒマワリは、ひしっとネジの胴回りに抱きついた。
「ひッ...ヒナタ、様…この子は、いったい……??」
女の子を振り払うわけにもいかず、ネジは固まって少し驚いた表情のままヒナタに助けを求めるように尋ねた。
「ヒマワリっていう、名前の子なんだけど……ネジ兄さん、もしかして知ってる子なの? そんなに懐いちゃってるし...」
「し、知りませんよ。───何を、勘違いしているのか判らないが……俺は、君を知らないんだ。離れてくれないか?」
「せっかく会えたのに…、おじさん冷たいよっ」
今にも泣き出しそうな顔で見上げてくる女の子に、たじたじになるネジ。
「ま、参ったな……」
「ごめんね、おじさん。今年咲いた向日葵の花をあげに行こうとしてたのに、どこかに失くしちゃったみたいなの」
「向日葵の花を、俺に……? だが、十月も半ばを過ぎているし、元気に咲いている向日葵の花はもう、無いんじゃないか?」
「そんなことないよ! まだ7月だし、元気な向日葵いっぱい咲いてるもんっ」
「いや、そう言われても、だな……」
ネジは再び助けを求めるようにヒナタを見やった。
「ヒマワリちゃんは、まだ7月
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