【籠から開放されし忘却の鳥】
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、ネジの居る場所まで急行する。
「ネジ兄さん...!」
「────? ヒナタ……ナルトくん、どうしたんだ?」
後ろからのヒナタの呼び掛けに、ゆるりと振り向いてきょとんとした様子のネジ。
「どうしたって……こっちのセリフだってばよ! オレの事ヒナタの真似して君付けしてるって事は、記憶戻ってねぇんだな……。いや、それより誰にも何も言わねーで病室抜け出すなってばよッ。しかも三階の窓から───本来のお前ならどって事ねぇだろうけど、今のお前じゃ相当危険だろ! 身体、大丈夫かッ?」
「あぁ…、降り立った時ちょっとふらついたが、大丈夫だったよ」
ナルトとヒナタの心配をよそに、ネジはふわりと微笑んで見せた。
「ネジ兄さん…、一人でどこへ行くつもりだったの?」
「────わからない」
「え?」
「わからないけど……、行きたい場所があるような気がして」
「何だそれ……っておいネジ、待てってばよ...?!」
ナルトの制止を聞かず、ネジは長い髪をさらりと揺らし、前に向き直って一人歩き出す。
「ねぇ、ナルト君……ネジ兄さんの好きなように、行かせてみよう? 私達は後ろから見守って、付いて行けばいいから」
ヒナタはそう言ってナルトと共に、ネジの後に付き従った。
────・・・そこは、日向本家の離れにある、ネジの家だった。
「ここに……来たかったんだね、ネジ兄さん」
「よくわからないが……、そうかもしれない」
ヒナタに言われ、満月の煌々とした光が覗く夜空の元ぼんやりと、明かりの灯っていない自分の家を見上げて呟くネジ。
「自分とこの家に、帰りたかったって事か? そりゃあもう半年以上、帰れてねぇもんな……」
「ネジ兄さんの家の鍵なら、私持ってるよ。家のお掃除なんかは他の人に頼んでるけど、時々必要な物とか取りに来たり、病室で溢れ返りそうなくらいになるお見舞い物を持って来たりしてるから」
ヒナタはナルトにそう言ってポケットから鍵を取り出し、家の玄関の扉を開けたその途端、ネジはスッ...とヒナタを横切って先に入って行き、灯りも点けずに茶の間へと向かったようだった。
「ネジ...、やっぱ記憶戻しかけてんじゃねぇかなッ?」
「無意識の内に、微かに残る記憶を辿って……ここへ来たんだと思う。だってここは、ネジ兄さんにとってお父上との、想い出が残る場所だから」
「ん? ヒナタ、それっつうのは────」
「ナルト君...、ネジ兄さんの様子を見に行こう」
ヒナタは期待を込めるナルトを伴い、暗がりの家の中へと入る。
「……なぁネジ、何か、思い出したんじゃねぇのか?」
「────・・・」
ネジは黙っ
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