【ネジおじさんに伝えたいこと】
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」
静かに述べるネジの表情は、僅かに憂いを帯びている。
「コワくない。…って言ったら、ウソかもしれないってばさ。けどおれ、おじさんを───」
「お〜い...! こんな時間に何してんだってばよボルト、ネジ!」
そこへ、火影の多忙な仕事でなかなか家に帰れていないナルトが二人の元へやって来る。
「父ちゃ……オヤジこそ、何してんだってばさ。また影分身かよっ?」
「違うってばよ、本体だ。ひと区切りついて家に帰る途中、近くにボルトとネジの気配がしたから来てみたんだ」
「ナルト、邪魔しないでもらいたい。俺はボルトと修行を───う...ッ」
苦しげに片手で胸元を押さえ、前のめりに倒れかかったネジをナルトが支える。
「おい、大丈夫かネジ? おじさん年なんだから無理すんなってばよ。つーか修行ってお前……その体でやる事じゃねぇだろ」
「年寄り扱いするな。……いいんだ、続けさせてくれ」
ナルトの腕から離れようとするが、うまく力が入らないらしい。
「───もういいって。おれ、おじさんに攻撃当てる気ないから。弱ってるおじさんにそんなことして、おれの気が晴れると思ってんの?」
「ん...? 何の事言ってんだ、ボルト」
ナルトは怪訝な表情を向け、ボルトはそれに構わず言葉を続ける。
「おじさんが……母ちゃんを傷つけたことあるって聞いて、おじさんのことちょっと疑っちまったけど、だからっておれがおじさんを変に恨んだって、意味ないじゃん。...おれが生まれてない時に何があって、おじさんと母ちゃんがどんな思いしてたかなんて、分からないけど───母ちゃんは、おれとヒマワリによく言うんだ。『大きな戦争があった時に、ネジ兄さんが私とナルト君を体を張って守ってくれたから、今こうして私達は、家族でいられるのよ』って……」
「─────」
「おじさんのおかげで、今のおれがあってヒマワリもいるんだ。だから……ありがとう、おじさん。母ちゃんと父ちゃんを、命がけで守ってくれて」
どこか吹っ切れた様子で笑みを見せるボルトに、ネジは少し安堵したように微笑み返した。
「礼を言うのは、俺の方だ。……俺を、お前達の"おじさん"にしてくれて、ありがとうな」
「へへっ、おじさんはおれ達の家族だもんな! ヒマワリにもいつか話しても、きっとおれみたいに、分かってくれるってばさ」
────ぐうぅ
「……...あっ」
しまった、という顔でボルトは自分の腹に両手を当て、恥ずかしくなって赤くなり下向いた。
「フフ……そういえば夕飯まだだったろう、ボルト」
────ぐおぉ
今度はナルトの腹が威勢よく鳴り、ネジとボルトも揃って一緒に笑った。
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