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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百九十二話 罪の深い女
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世を暗殺し帝国に後継者争いを生じさせる。第三にリヒテンラーデ侯にエルウィン・ヨーゼフを担がせる。この内第一と第三はそれほど難しくない。問題は第二のフリードリヒ四世の暗殺だ。
オーベルシュタインは何らかの手段でアンネローゼと接触した。そしてラインハルトの危機を訴えフリードリヒ四世の暗殺を頼んだのだ。そしてアンネローゼは実行した。そうとでも思わなければ余りにも強運過ぎる。
もしかすると二人の接触には男爵夫人が関与したのかもしれない。だとすると彼女は皇帝暗殺に気付いた可能性も有るだろう。彼女がラインハルトに近づかなくなったのはそれが原因かもしれない。
アムリッツア会戦後、オーベルシュタインはキルヒアイスを警戒し始める。ナンバー・ツー不要論だが、本当はキルヒアイスとアンネローゼの接近を警戒したのではないだろうか。
アンネローゼが皇帝暗殺をキルヒアイスに話したらどうなるか? おそらくとんでもなく深刻な事態になるだろう。キルヒアイスはオーベルシュタインを許さないだろうし、ラインハルトも二人の不和の原因が何かに関心を持つに違いない。まさに破滅的な事態の発生だ。
キルヒアイスの死後、オーベルシュタインはアンネローゼと話をしている。何を話し何を話さなかったのかは分からない。しかし会談の後、アンネローゼは理解したはずだ。オーベルシュタインは自分が他者に近づくのを望んでいないと。彼女が、フロイデンの山荘に移ったのもそれが原因だろう。
『私は罪の深い女です』
この言葉の意味はなんだろう。キルヒアイスへの贖罪だけだろうか? 俺にはそうは思えない。フリードリヒ四世を暗殺したのが彼女なら、それに対する償いの気持も入っているはずだ。
フリードリヒ四世が死んだ事で、ゴールデンバウム王朝は消滅しようとしているのだ。彼女は自分がゴールデンバウム王朝を滅ぼすきっかけを作ったことを理解したはずだ。
彼女が曲りなりにも安全で裕福な生活を維持でき、ラインハルトも身を立てることが出来たのはフリードリヒ四世のおかげだった。だが彼女はそれを裏切ったのだ。それに対する贖罪の気持が入っているのではないだろうか……。
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