sts FINAL 「それぞれの道へ」
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はらしい。
フェイトは執務官としてこれからも次元世界を渡り歩く。以前から補佐官だったシャーリーに加え、執務官志望だったティアナも新たな補佐官として実務経験を積むそうだ。
「……考え事してて遅れたらまた怒られるな」
事件後に俺ははやてを始めとした多くの人間から怒られたというか小言を大量にもらった。ジ・アルテマを始めとした体へ負荷の大きい魔法を使用したことで体の内部がボロボロだったからだ。状況が状況だっただけに使う必要があったと相手側も理解はしてくれはしたが、理解したからといってそれだけで割り切れないのが人間というものだろう。
シュテルやレヴィといった戦闘に参加してなかった奴に言われるのは分かる。はやても部隊長故に注意する責務はあるだろう。医者であるシャマルから言われるのは仕事上当然だろうが……同じように無理していたなのはやフェイトから言われるのは心外でならない。
そう思いながら挨拶の後に集まるように言われていた場所に歩き始めるが、小言を言われた時間を振り返っても嬉しい事なんてない。そのため別のことを考えることにした。
残るフォワード達……スバルは確か災害救助を主に行う特別救助隊に転属するんだったか。キャロは自然保護隊に復帰して、エリオは竜騎士としてキャロと一緒に自然保護隊に行くんだったな。
こうして考えるとみんな自分の道を歩もうとしている。にも関わらず、俺はこれからどうして行くか迷っているのが現状だ。
特別魔導技官故に魔導師としても技術者としても働くことが出来る。これまでは技術者としての仕事をメインに行ってきたが、管理局の変革によって情勢は大きく変わるだろう。そうなれば魔導師がひとりでも多く必要だ。俺はいったいどうしたら……
「ショウくん、難しい顔しとるけどどないしたんや?」
「ん? あぁはやてか。別に大したことじゃないさ……ただ今後どうしていくか考えてただけで」
「ふむ……確かにショウくんは魔導師でもあり技術者でもある。今後の管理局を考えればどっちも必要な仕事や。……でも少し意外や、てっきりショウくんは技術者に戻るとばかり」
「俺も1年前はそう思ってたよ」
父さんから目指し、義母さんから託された研究だって終わりを迎えたわけじゃない。シュテルやレヴィ、ユーリ達と一緒に研究に明け暮れる日々は大変だろうが充実した毎日だろうし、きっとこれからの魔導師達の助けになるはずだ。……でも
「ただ……俺の手も昔よりは少し遠くまで届くようになった。だから守れる力が……救える力があるのなら使っていくべきなんじゃないかって思ったりもするんだよ」
「なるほどなぁ……あのショウくんがそないなことを考えるようになったなんて。……うんうん、ええことや」
何だか隊長感が抜けているように感じるんだが、それは俺の気のせいだ
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