暁 〜小説投稿サイト〜
トラベル・トラベル・ポケモン世界
20話目 湖岸の戦場(後)
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ンセンターに戻り、ポケモンの体力を回復させたエレナとグレイは、ポケモンセンターの休憩所にいた。
 椅子に座り、テーブル越しに向き合う2人。語る少女と聞く少年の雰囲気は真剣なものであった。
「アタシね、焦っていたのよ。自分がポケモントレーナーとして未熟な事にね。そのせいで色んなことを見失って……ポケモンへの感謝も忘れて……ポケモンの小さな成長に喜ぶことができなくなって……」
 語るエレナの雰囲気は暗く、2人の会話はなんとなく重い空気が漂っていた。
「でも……アタシは強いポケモントレーナーになりたいの! ポケモンに感謝することは大切なこと、小さな成長を喜ぶことも大切なこと。それは分かっているわ。でも……強くなりたいという想いは変わらないのよ!」
 エレナはグレイの目を真剣に見ながらグレイに問いかける。
「ねえグレイ……どうしたら、ポケモンへの優しさと、ポケモンの強さを両立できるの? アタシはどうしたらいいの……?」
 エレナの真剣な雰囲気にグレイは完全に呑まれていた。
 グレイはエレナの目から視線を逸らしながら何とか言葉を返す。
「な、何でそんなこと……オレに……聞くんだよ……?」
「アナタは一流のポケモントレーナーを目指している訳でもないのに……! 厳しい鍛錬をポケモンに課している訳でもないのに……! そんなにも強いじゃない……! アナタは答えを知っているのでしょう……!?」
 (わず)かに嫉妬を含むエレナの真剣な視線に耐えられなくなったグレイは、自分のポケモンに助けを求めるべくモンスターボールを取り出した。
 グレイの横にハピナスが現れた。
「エレナ、とりあえず姐さん……オレのハピナスを撫でて落ち着いてみろよ……」
 エレナは納得のいかない表情を浮かべながらも、グレイの言葉通りにハピナスを撫でた。
(なに……これ……! すごく……幸せな気分……ね……)
 ハピナスの不思議な癒しの力が、フワフワな体毛を通じてエレナに伝わっていく。ハピナスを撫でる度にエレナは幸福感に包まれる。

 ハピナスのおかげで場が柔和(にゅうわ)な雰囲気に包まれたころ、グレイが口を開く。
「強くなる方法だけどな……答えなんて、オレだって知らないぜ。正解なんて人それぞれだと思うしな」
「そんな事は分かっているわ。アタシが聞きたいのは、アナタがどう考えているか。アナタにとって正解は何なのかを聞きたいの」
 ハピナスを撫でながら問いかけるエレナ。その視線が真剣であることは変わらないが、先と比べてエレナの視線は少し穏やかなものであった。
「オレは、自分のポケモンに向き合って、自分のポケモンを理解することが1番大事だと思ってる」
「自分のポケモンを理解すること?」
「そうだ。それに、自分のポケモンのことを理解すれば、強さを引き出す方法も分かるかもし
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