20話目 湖岸の戦場(後)
[8/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
アブソル、接近戦を展開するわ。動き方はアタシが指示する。厳しい戦いになると思うけど頑張りましょう!」
エレナはアブソルに指示を開始し、アブソルはエレナから届く指示を忠実に実行する。
“たきのぼり”で圧倒的な水をまとって迫りくるギャラドスに対し、アブソルは“つじぎり”と“サイコカッター”で突撃を防ぐ。
勢いが止まったギャラドスの懐にアブソルが入り込む。
アブソルは再び“つじぎり”と“サイコカッター”を繰り出そうとする。また、技が発動するまでの僅かな時間も、頭と尻尾の刃や脚の爪で直接切り裂いたり、噛みついたりして積極的に攻撃をしかけていく。
対するギャラドスも“たきのぼり”が発動するまでの時間で、鋭い牙で噛みついたり、太い尻尾を叩きつけたりと激しく応戦する。
殴られる前に殴るべし、攻撃が最大の防御という法則が成立する展開の中、アブソルにダメージを受けさせない事は不可能である。
この激しい肉弾戦が展開する中で、エレナは相手の攻撃を全て防ぐのではなく、防ぐべき攻撃を取捨選択し、効率良くダメージを与えられるようにアブソルに動きを指示していた。
さらにエレナは、アブソルとギャラドスの位置にも気をつけて指示していた。
アブソルが湖に引きずり込まれないように、なるべく内陸で戦いが展開されるように仕向けていた。
また、ギャラドスの激しい攻撃によって湖に押し出されないように、アブソルがギャラドスよりも内陸側に位置する状態になるように動きを指示していた。
陸上でも互角の戦いである今の状況では、アブソルが湖に引きずり込まれる事はアブソルの敗北とほぼ同じ意味であった。
激しい展開が続き、アブソルとギャラドスは両者とも大きく体力が削られていた。
そんな中、ギャラドスがアブソルに激しく噛みつき、そのまま宙に放り投げる場面が訪れた。
この状況にエレナは焦る。
(まずい! アブソルが宙を舞っている間に陸側をとられたわ!)
さらに、ギャラドスは“たきのぼり”を発動しようとしていた。このまま空中のアブソルが“たきのぼり”を受ければ、湖に吹っ飛んでしまう状況である。エレナは急いで言葉を発する。
「同時技は防御に使って!」
アブソルは“つじぎり”と“サイコカッター”を、横から迫るギャラドスに向けて放った。
しかし、ギャラドスは横からアブソルに攻撃することはなく、アブソルの上に回り込んだ。結果的にアブソルの2つの技は空振りに終わった。
アブソルの上に回り込んだギャラドスは、上から“たきのぼり”で突撃した。一瞬前に技を放ってしまったアブソルにはそれを防ぐ手段がない。せめてもの抵抗で頭と尻尾の刃を向けるがギャラドスは動じない。
ギャラドスの“たきのぼり”が上から直撃し、アブソルは激しく砂浜に叩きつけられた後大き
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ