20話目 湖岸の戦場(後)
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カッター”を2つ同時に操ろうとするが、それでも上手くいかない。
そんなエレナとアブソルの様子を見たグレイは、エレナに話しかけてくる。
「おいおい、ずいぶんと無茶な要求してるな! さっき“つじぎり”と“サイコカッター”を同時に操ってたのは凄いが、さすがに同じ技を2倍の量で放つのは無理だろ! そんな事できるなら、とっくにKKの“たきのぼり”だって威力が2倍になってるぜ?」
自分のギャラドスに指示しないので口が暇なグレイは、さらに余計な言葉をエレナに投げつける。
「エレナは現実逃避してるんだよ」
(なんですって……!?)
グレイの言葉に、エレナはムッとした表情を浮かべながら言葉を発する。
「アタシのどこが現実逃避しているのよ!?」
「“サイコカッター”を2つ同時に操れなんて要求してる事がそうだろ! なんか高い目標を目指してるのか知らんが、現状で不可能な事に期待して他に何も考えないなんて、現実逃避以外の何物でもないだろ!」
『エレナ、お前が何を目指していて、どこを見ているのか知らないが、これだけは言っておく……今、目の前のバトルに向き合わない限り、KK……オレのギャラドスには絶対に勝てないぞ』
この戦いが始まる前にグレイに言われた言葉がエレナの脳裏に浮かんだ。
今エレナが直面している状況、グレイの言葉、この2つが結び合わさった瞬間、頭の回転が速いエレナはグレイの言葉を一瞬で消化した。
(グレイが言いたかった事は……そういう事だったのね)
高い目標をもつこと、これは悪いことではない。
高い目標を設定すれば、その通過点に低い目標が自然に発生することもあるだろう。
しかし高い目標に執着することで、低い目標を達成できていない自分から目を逸らしてしまうのは間違いである。
低い目標を1個ずつ達成することの積み重ねによって、高い目標がクリアされるのである。
シャルラのエレザードを倒すことを目標にしたからと言って、グレイのギャラドスが自然と倒せるようになる訳ではない。
グレイのギャラドスを倒すという試練を全力で越えてこそ、その先にシャルラのエレザードの打倒が見えてくるのである。
エレナはその事に気がついた。
(もし“サイコカッター”を2つ同時に操ることができれば、目標に近づいている証拠になる。でも、現状はそれに届いていない。今アタシがやるべき事は、ないものねだりをする事ではなく、今をどう乗り切るか現実的に考える事よ!)
頭を切り替えたエレナは素早く新たな戦法を考え始めた。
(今やるべき事。湖に引きずり込まれないよう注意すること、なるべく被ダメージを減らして与ダメージを増やすこと。この2つ。それを踏まえた作戦は……)
わずか3秒で結論を出したエレナはアブソルに指示し始める。
「
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