20話目 湖岸の戦場(後)
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撃しようとする。
「アブソル、“つじぎり”だけ! その後“かげぶんしん”フォームAのエスケープ!」
ギャラドスの攻撃とアブソルの攻撃がぶつかり合う。威力の強さではギャラドス側が勝ち、アブソルは吹っ飛ばされる。
アブソルは素早く態勢を立て直し、2体に分身して互いに正反対の方向へ進む。ただし今までとは違い、ギャラドスを囲む動作はせずに互いに正反対方向に直進し続ける。
ギャラドスは適当に右に行くアブソルを追いかけ始めた。
エレナは、現在実行中の作戦を振り返る。
(ギャラドスに近づかれては終わり……! だから、ギャラドスが本物を攻撃してきた時は技のぶつかり合いでわざと負けて、飛ばされて距離を離す……! もし偽物を攻撃してきた場合は、正反対の遠くに行った本物のアブソルで遠距離攻撃……!)
しかし様子を見ていたエレナは、作戦が上手くいっていない事に気づく。
(ダメね……アブソルが相手に与えるダメージに対して、相手から受けるダメージの方が大きい……!)
逃げながら遠距離攻撃に徹し、正面の攻撃のぶつかり合いはあえて負ける。その作戦をとっているため、アブソルの“つじぎり”と“サイコカッター”を同時に操るという特技が生かせずにいた。
(グレイに負ける程度では……シャルラには勝てない! 絶対に勝つ! アブソルには頑張ってもらうしかないわ!)
エレナはアブソルに新たな要求を出す。
「アブソル! “サイコカッター”は、頭の刃と尻尾の刃の両方から同時に放って!」
“つじぎり”と“サイコカッター”を同時に操れるならば、“サイコカッター”を2つ分同時に操ることも可能。エレナはそう考えたのであった。
アブソルは、頭の刃と尻尾の刃で同時に念の刃を作り出そうとした。しかし尻尾で作った念が消えてしまい、発射された念の刃は1つだけであった。
さらに、2つ同時に操ろうとすることで念の刃を作り出す時間がいつもより増え、結果的にギャラドスが近づくまでに発射できた念の刃の数はいつもより少なくなってしまった。
エレナがアブソルに叫ぶ。
「アブソル! なんとしても2つ同時に操って! 今“サイコカッター”を2つ同時に操れないようでは、求める所には全然届かないでしょう!」
エレナの求める所とは、シャルラのエレザードに対抗する力を得る事である。
エレナの認識の中では、シャルラのエレザードはグレイのギャラドスよりも強い。ならば求める所に到達するには、ギャラドスを余裕で倒せることが望ましい。ましてやギャラドスに勝つことなど最低限の条件である。
今“サイコカッター”を2つ同時に操る技能は、その最低限の条件を達成するために必要な力であり、これが達成できなければ、そもそも前提から崩れてしまうのである。
エレナの想いに応えるべく、アブソルは必死に“サイコ
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