20話目 湖岸の戦場(後)
[5/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ては背中を向け続けて! 絶対に脚を凍らせてはダメよ!」
エレナの指示により、アブソルは自身の脚が凍結させられないよう守りながら抵抗し、湖底に引きずり込まれないように戦い続ける。
しばらく水中でもつれながら戦っていたアブソルとギャラドス。
しかし、抵抗するアブソルに業を煮やしたギャラドスは、“こおりのキバ”を止めて水中からアブソルの下に回り込み、上にいるアブソルに“たきのぼり”を繰り出した。
降り続ける雨と湖水を吸収し、ギャラドスは圧倒的な水量をまといながら凄まじい勢いでアブソルを突き上げた。
ギャラドスが繰り出した“たきのぼり”によって、湖に太い水柱が発生した。
水中で背中を凍結させられながら溺死と戦っていたアブソルは、水柱に激しく叩きつけられ、突如として空中へ放り出された。
この状況の変化をエレナは見逃さなかった。
「アブソル、“かげぶんしん”!」
空中に放り出されながらも、アブソルは“かげぶんしん”で見かけ上は2体に分身した。
「アブソル! なんとかギャラドスにしがみついて!」
分身したアブソルの偽物を潰そうと、ギャラドスが2体のアブソルを尻尾でまとめて薙ぎ払おうとする。
アブソルは、自分を薙ぎ払おうとするギャラドスの尻尾に必死にしがみついた。
もしアブソルがギャラドスの尻尾を手放した場合の行先は、湖底に引きずり込もうとする水龍に襲われ溺れながら戦うという地獄の湖である。それを理解しているアブソルは、激しく振り払われようともギャラドスの尻尾に必死で食らいつく。
「ギャラドスを蹴って! 砂浜に跳んで!」
アブソルは、自身に巻きつこうとするギャラドスの胴体を蹴り、その反動で砂浜の方へ跳躍した。
「アブソル! “つじぎり”だけ!」
跳んだアブソルを追いかけ、ギャラドスは“たきのぼり”で水をまとってアブソルに突撃した。
アブソルの“つじぎり”と、ギャラドスの“たきのぼり”がぶつかった。アブソルの攻撃は、ギャラドスの攻撃を打ち消すことはできず、攻撃を弱めるにとどまった。
相殺しきれなかったギャラドスの“たきのぼり”がアブソルに直撃した。ギャラドスの攻撃の勢いにより、アブソルは強く砂浜の方へ吹っ飛ばされた。
ダメージを受けたものの、アブソルはなんとか地獄の湖から砂浜へと脱出を果たした。
(ギャラドスに捕まったら、また水中に引きずり込まれてしまう……! とにかくギャラドスに近づかれてはダメね!)
判断したエレナは即座に指示する。
「アブソル、“かげぶんしん”! 水から離れながら分かれて!」
アブソルは、湖水と砂浜の境界線から斜めの角度に進むことで、ギャラドスから見て左右に分かれながら同時に湖からも離れる。
ギャラドスは、左側の斜めに逃げるアブソルを追い、“たきのぼり”で攻
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ