20話目 湖岸の戦場(後)
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ームA!」
再びアブソルは2体に分身し、互いに正反対の走り出し、ギャラドスから見て右と左に分かれた。
ギャラドスは即座に左側のアブソルを追った。当然、当てずっぽうの勘である。
再びギャラドスが、周りの雨粒を吸収した凄まじい水量の“たきのぼり”でアブソルに迫る。
「アブソル! 今!」
エレナがそう指示した瞬間、アブソルは頭の刃から“つじぎり”を繰り出し、尻尾の刃から“サイコカッター”を飛ばし、迫りくるギャラドスに対抗する。狙われた方が本物のアブソルだったのである。
アブソルの“つじぎり”と“サイコカッター”、ギャラドスの“たきのぼり”がぶつかり合い、相殺された。
(“つじぎり”と“サイコカッター”を同時に使っても引き分けに終わるなんて……!)
動揺するエレナだが、指示の口を休めることは無い。
「“かげぶんしん”フォームA!」
突然の“たきのぼり”の消滅で攻撃を中断させられたギャラドスが一瞬動きを止めた隙に、アブソルは分身して再び互いに正反対の方向へ行く。
「すげえな! なんだ今の!? “つじぎり”と“サイコカッター”を同時に使ったのか!?」
グレイが驚いた様子でそう声をかけてきた。
(そうよね……アブソルが“つじぎり”と“サイコカッター”を同時に操れるのは、当たり前の事なんかじゃないのよね……感謝を忘れているって、グレイに指摘されたばかりよね)
そう思ったエレナは、アブソルに声をかける。
「アブソル、2つの技、良い調子ね! その調子でお願いね!」
どちらが偽物の分身か相手に悟られないために、アブソルの目を見て声をかけることはエレナにはできない。しかし一瞬、2体のアブソルが同時に自分に視線を送ってきたのを見たエレナは、自分の感謝と励ましがアブソルに伝わっていると確信した。
再びギャラドスがアブソルに迫る。
ギャラドスは“たきのぼり”でアブソルを攻撃したが、今度は偽物であった。
先ほどと同じく、ギャラドスが襲った偽物とは反対側にいるアブソルは“サイコカッター”でギャラドスを遠距離攻撃する。
木をまるで豆腐のように切断する程の威力をもつ“サイコカッター”が、次々にギャラドスにダメージを与える。
(ギャラドスが当たりを引いたら、“つじぎり”と“サイコカッター”で防ぐ。ギャラドスがハズレを引いたら“サイコカッター”で遠距離攻撃。このままダメージを与えていけば勝てるわ……“かげぶんしん”を一瞬で発動できるよう訓練した成果ね!)
エレナは、アブソルに課した厳しい鍛錬の成果が出ていると実感した。
(アタシはシャルラのエレザードを倒すのよ! そう、グレイのギャラドスは通過点に過ぎない! 負ける訳にはいかないの!)
その強い思いを抱きながら、エレナは指示を続ける。
再びギャラドスがアブソルに迫
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