20話目 湖岸の戦場(後)
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れない」
「アナタはその方法で強くなれたって言うのね。……でも、そんなに簡単にポケモンのことを理解できるのかしら? ポケモンと向き合っても理解できなかった場合はどうすればいいの?」
「そんな事オレに言われてもな……答えなんてオレだって分からないし……オレが強くなったのだって偶然というかKKのせいというか……」
グレイの更なる返答を期待するエレナと、エレナの期待する答えを用意できなくて困った顔で悩むグレイ。
しかし、グレイは何か思いついたといった表情を浮かべ、再び口を開く。
「オレが1番大事だと思うことは、自分のポケモンを理解する努力を続けること! これだな! 確かに、そんな簡単に自分のポケモンのことが分かれば苦労しない。だから努力を続けるんだよ」
グレイは自分を例にして語りつづける。
「オレだって、自分のギャラドスのことが理解できなくて困ってる。戦闘狂で暴れるのが好きとか、そういう表面的なことは分かる。でも、なんで戦いが好きなのか、オレの事をどう思ってるのか、アイツの心は全く読めない。それでもオレは理解しようと努力してる……今のところ努力は報われてないけどな……」
グレイは、ため息をついているエレナを見て、少し複雑な表情をしながらエレナに問いかける。
「オレの話は的外れだったか?」
「ああ違うの。ゴメンなさい。アナタの話に呆れていたのではなくて、自分の愚かさを嘆いていたのよ……。自分のポケモンを理解する努力を続けること、こんな基本的なことを忘れていた自分が情けなくてしょうがないわ……」
エレナはハピナスを撫でるのを止め、自分の手を組みながら語り出す。
「アタシだって最初、研究所でポケモンを貰って旅立った頃は、ポケモンのことを理解する努力をしていたわ。いえ……前にアナタと会った時まではそうだった。でも……ちょっとね、自分が未熟だと痛感させられる出来事があってね……強くなるにはどうしたらいいか、そのことで頭がいっぱいになって……」
エレナは語りながら大きくため息をついた。
「ため息をつくと幸せが逃げるらしいな」
「……今、真剣に話している途中なんだけど!」
「すんません……」
威圧されて心が傷ついたグレイを見て、ハピナスがグレイに寄ってくる。グレイはすかさずハピナスを撫でて心を癒した。
エレナは語り続ける。
「それでね、未熟な自分に焦って……強くなる方法を考える内に、ポケモンと向き合うことを忘れて……独りよがりな考えになって……それで、こうなったのよ……」
エレナはグレイを見ながら言葉を続ける。
「今日、アナタに負けてよかったわ。ポケモンのことを理解する努力をして、それで強くなれることを証明してくれてありがとう。手本を見せてくれてありがとう」
「おう、悩みが解決してよかったな」
2人の会話はそこで
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