両者の策
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ようやく気付き、反応が遅れて回避することができなかった。
バキッ
その直後、響き渡る何かが割れる音。それは、ここに来る前にも一度聞いたことがあったため、私たちは思わず顔を歪めた。
『ユウカ選手!!弱点部位へのダメージにより退場です!!』
「すまねぇ、リオン、カグラ」
謝罪の言葉を残しフィールド外へと転送されるユウカ。彼に攻撃を加えた人物に視線を向けると、そこには四人の少女がこちらを真剣な眼差しで見据えていた。
「やはりあれはレオンだったか・・・」
苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている氷の魔導士。目の前にいるのはソフィア、シリル、ウェンディ、シェリアと女の子たちしかいないことから、さっきトビーを連れ去っていったのがレオンだったことがわかる。
「今カグラさんすごい失礼なことを考えてませんでした?」
「??いや、そんなことはないが」
敵プレーヤーである少女が異様なまでに不機嫌そうな目をしてこちらを睨んでいるが、彼女の言っていることの意味がわからない。別にこいつをバカにするようなことをいった記憶はないんだが・・・
「カグラ、奴等のスペルは?」
一人考え事をしていると、隣に立つ青年からそう声をかけられる。
「待て、今見る」
私のスペルが発動するのはソフィアの件で実証済。なので、この中の誰がどんなスペルを持っているのかを確認しようとする。
「!?」
しかし、透視してみてあることが判明し、動揺を隠せない。
「誰もスペルを持っていない?」
「何!?」
能力を封印したソフィアと先程透視できなかったウェンディはもちろん、シリルとシェリアのスペルも見えない。
(ウェンディは特殊なスペルだから見てないのだろうが、シリルとシェリアは?まさか、ユウカと二人が被ったのか?)
最低でも一人のスペルは封じていることになるため、透視できないのはわかるが、二人とも被るなんてことがあるのか?いや、なくはないのだろうが、そんなスペルをプレーヤーであるシリルに持たせるか?
「まさか、シリルもウェンディのような特殊なスペルを持っているのか?」
「そう考えた方がいいかもしれんな」
これでウェンディがあそこまでの強いスペルを持っていた理由が判明した。シリルが同等のスペルを持っているのなら、彼女にも同レベルのスペルを持たせていてもおかしくはない。
(ただ、側近ならレオンの方が向いていると思うんだがな・・・)
二人は幼馴染みだという話だし、コンビネーションを考慮して彼女たちに強いスペルを持たせたと考えられるが、普通はレオンに持たせるんじゃないか?その方が護衛としての効力は強そうだし。
「しかし、スペルがわからん以上、実力で戦うしかないな」
「そうだな」
リ
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