暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
113話:互いが望む未来
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 二人の言葉は誰にも聞き取られることはなかったが、その場にいる者全員が同じような思いだったであろう。


 ―――何せエクストラの胸部から、淡い光が漏れ始めたのだ。


 それは深紅のような色合いで、徐々に強くなっていく光。ディエンドの胸部の隙間から漏れるそれに、なのはは…否、なのはだけでなく多くの者達が強い既視感を感じていた。


 それは先刻スカリエッティが扱っていた、レリックが放つ光(・・・・・・・・)だった。


「なん…―――ッ!?」
「ッ、エクストラ!」


 いきなりの事に何故と疑問を覚えるが、それを遮るかのように彼の体に激痛が走る。
 なんだか胸がはち切れるような痛みに、呻きながら数歩よろける。その様子を見ていた士は、思わず声を掛けながら駆け寄る。


「く、来るガ―――ァアアアッ!?」


 手で制しようとするが、さらに強い痛みに襲われ大声を上げた。思わず足を止める士、そこへ視界を遮る程の赤い光が差し込む。


「な、なんだッ…これは…!?」



『―――やぁ、エクストラ。調子はどうだい?』



「ッ!? スカリ、エッティ…ッ!?」


 謎の光に疑問を抱く彼に、まるで答えるかのように声が響く。
 横へと視線を向ければ、そこにはモニターの奥で不気味な笑みを浮かべるスカリエッティの姿があった。


『キミがこの映像を見ているということは、私の保険が正常に作動しているという訳なのだが…。そこは一体、どこなのだろうね?』
「な、何を…ッ!?」
『まだ戦場なのか、それとも捕まってどこかの次元艦の中で幽閉されているのか…まぁそこはどうでもいい』


 キミは気づいていなかっただろうが、この保険は以前からあってね。戦闘機人をベースにしているとはいえ、キミが叛旗を翻す可能性があったのでね。少し細工をさせてもらったのだよ。

 モニターの奥で悠々とそう語るスカリエッティに対し、胸を抑えながらもエクストラが反論する。


「細工、だと…!? そんなの、いつの間に…ッ!?」
『一つはまぁ、ある程度コントロールが効くようにする細工。これは今回とは関係ないんだ、ある種保険中の保険だ。
 しかしもう一つ。私がそのコントロールができない状況で、キミが何かをしでかそうとしたときの保険だ』


 なッ!? と驚く声が二つ、間近で聞いていたエクストラと士のもの。
 それに応えるように、スカリエッティが声を抑えながら笑う。まるで先程とは違い、こちらの様子が分かっているかのように。


『元よりキミの力が、正義の下で振るわれていたものだと聞いていたものでね。キミの身体の中に入れさせてもらったよ―――レリックをね』
「くッ…!?」
『まぁ実際に
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