暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
113話:互いが望む未来
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、それこそお前、愚問だろ…!」
互いにフラフラとしながら立ち上がる二人。差し出した手は固く、強く握られ、ディケイドの胸を打つ。
「言った筈だ、
俺が助けたいだけ
(
・・・・・・・・
)
だって。それ以外…何か理由がいるかよ?」
「……ッ!」
「お前が少しでもッ…今のこの状況を、変えたいと思っているなら…少しでも、今とは違う未来を見たいならッ!」
大きな声を上げてくれ、その手を伸ばしてくれッ。
そしたら必ず、そこに行くからッ! 伸ばしてくれたその手を…必ず、掴み取ってやるから! 引っ張り出してやるから!
「手を伸ばせ…ッ―――エクストラぁッ!!」
「………」
……あぁ、クソッたれ。
今まで一人で考えて抱え込んでいたものを、全部見透かされてるような気分だ。こっちの憎悪も後悔も…心の奥にある、自分でもわからない何かさえも。
一人であがいても届かなかった姿、一度は憧れた正義。諦めてしまった自分には、もう掴めないと思っていた。
それでもこいつは、それを掴もうとしている。仲間と一緒に、自らが望む未来を。
―――しかも、この僕も救って…否、助けて。そして僕も一緒にその未来を目指そうとしている。
あぁ、クソッ……
眩しくって
(
・・・・・
)
しかたない…ッ!
気がつけば、手を伸ばしていた。
まるで何かを求めるかのように…
救いを求めるか
(
・・・・・・・
)
のように……
あぁ、そうか…
僕はずっと憧れていたんだ、あの
英雄
(
ヒーロー
)
達の姿を…正義の下で戦うことを。誰かを護る為に戦えることを…
そして、望んでいたんだ。世界に対する憎悪から抜け出すことを、世界を脅かす巨大な悪から抜け出すことを。
―――誰かに、今の自分を救ってもらうことを…ッ!
「まったく…羨ましいよ、お前が…」
憧れたものを全部持ってるお前が、輝いていて眩しい。
でも、僕もお前のようになれるだろうか? 正義の味方なんてものでなくていい。ただ守りたい者達を、自分の手で守れるような……
守るために戦えるように、なれるだろうか?
そんな思いを持ちながら、いつか届くようにと願いながら。
目の前で手を差し出す光へと、自らの手を伸ばし……
そして―――
「え…?」
その瞬間、ディケイドとディエンドの戦闘場所に到着したヘリから様子を見ていたなのはと、まさしくそこにいて手を伸ばしていたディエンド―――エクストラのセリフが重なった。
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